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アニオリ展開で賛否割れたアニメ「後々なかったことに」「敵弱くね」

原作があるアニメでは、ときにさまざまな事情から本来の物語と異なるアニメオリジナルの展開が描かれます。そうした作品は原作との違いを楽しめますが、視聴者が戸惑うようなアニオリになってしまったこともありました。

原作との温度差に視聴者が困惑?

アニメオリジナルキャラ「フェブリ」も描かれた『とある科学の超電磁砲S』Blu-ray第7巻(ジェネオン・ユニバーサル)
アニメオリジナルキャラ「フェブリ」も描かれた『とある科学の超電磁砲S』Blu-ray第7巻(ジェネオン・ユニバーサル)

 マンガや小説の原作があるアニメでは、ときにさまざまな事情から本来の物語と異なった独自の展開が描かれます。なかにはアニメオリジナルのストーリーによって、視聴者を困惑させた作品もありました。

 たとえば、2015年放送の『東京喰種√A』(以下、『√A』)は、マンガ『東京喰種トーキョーグール』(作:石田スイ)を原作としたアニメの第2期です。原作者の石田スイ先生がオリジナルストーリーの原案を手掛けています。

 2014年放送の第1期『東京喰種トーキョーグール』では、主人公「金木研」が人肉を食す「喰種(グール)」の女性「神代利世(リゼ)」に襲われ、事故で彼女の内臓を移植されたことで、喰種の世界に足を踏み入れていきます。

 喰種の互助組織「あんていく」に身を寄せていた金木は、終盤で喰種の過激派組織「アオギリの樹」に囚われ、幹部「ヤモリ」から拷問を受けました。しかし、極限状態で利世を捕食した金木は喰種にとして覚醒し、ヤモリを圧倒するのです。

 原作では、その後に金木があんていくを離れ、「反アオギリ」の集団として行動する展開が描かれます。一方、『√A』では金木が「アオギリの樹」に加入し、人間の治安組織「喰種対策局(CCG)」との戦いに身を投じていく流れとなりました。

 そのような本作へは、「最終回が泣ける」などとストーリーを評価する声もあります。しかし、『√A』が原作改変されたのに対し、アニメ第3期『東京喰種:re』からは原作準拠の流れに戻ったため、新主人公のCCG捜査官「佐々木琲世」の正体や仲間の生死といった描写に唐突さがありました。そのため、視聴者から「登場人物の心情や状況説明などが追いついていない」など困惑する声も出ています。

 また、現在第4期が放送されているTVアニメ『青の祓魔師』(原作:加藤和恵)も、2011年に放送された第1期で、アニメ独自に描かれた展開が視聴者を困惑させたことがありました。同作では「祓魔師(エクソシスト)」を目指す主人公「奥村燐」と、祓魔師の弟「奥村雪男」の兄弟関係を中心とした話が描かれ、中盤から終盤にかけてのアニオリ展開では、すれ違いにより対立していたふたりが最後に和解しました。

 しかし、2017年放送の2期『青の祓魔師 京都不浄王篇』では、原作通りだった1期中盤の物語から再開され、兄弟の和解を含めた終盤の展開はなかったことになっています。また燐と雪男が険悪な関係に戻り、視聴者の多くは混乱しましたが、第2期へのつながりを考えなければ、1期はオリジナルストーリーで自然な終着点を迎えており、このエピソードを支持するファンも少なくありません。

 そのほか、2月16日に4期の制作が発表された「とある科学の超電磁砲」シリーズ(作:鎌池和馬/作画:冬川基)のアニメ版でも、オリジナル展開が取り入れられたことがあります。特に第2期『とある科学の超電磁砲S』の後半で描かれた、「革命未明(サイレントパーティ)編」は賛否が分かれました。

 このエピソードでは、主人公「御坂美琴」が謎の少女「フェブリ」と出会って、彼女を作った組織「スタディ」と対峙します。スタディは大規模な発表会「学究会」の場を利用し、テロ行為を企てました。

 彼らの戦術は「小型ロボットによる物量作戦」といった単純なもので、「過去の敵と比べて小物感が否めない」という意見のほか、原作に登場しないロボットや本筋に関係ない日常描写に否定的な声も出ていましたが、幼い見た目のフェブリに魅了されたファンも多く、仲間たちの総力戦による物語の盛り上がり自体は評価されています。

 第1期の後半でもアニメオリジナルエピソードが描かれており、第3期では原作に沿った形でストーリーが進行しました。第4期も、ファンから「過去作品と同じく2クールの放送であれば、原作の進行状況だと尺不足になるかも」とも予想されています。果たして、新シリーズでもアニオリ展開が描かれることはあるのでしょうか。

(LUIS FIELD)

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