マグミクス | manga * anime * game

ニチアサの歴史に埋もれた「谷間」の傑作 放送時期が“悪かっただけ”の名作たち

ヒット作の陰に隠れてしまった作品は、必ずしも出来が悪かったわけではありません。むしろ内容や作風には確かな魅力がありながら、放送時期や周囲のラインナップという「谷間」に置かれたことで、注目を集めきれなかった例が数多く見られます。それは、話題に事欠かない「ニチアサ」作品も例外ではないようです。

タイミングに恵まれなかっただけの名作たち

画像は『明日のナージャ』ビジュアル (C)東映アニメーション
画像は『明日のナージャ』ビジュアル (C)東映アニメーション

 2026年2月15日より『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』が放送され、4月5日からは『鬼滅の刃』の全編再放送が始まるなど、日曜朝の風景が変わりつつあります。こうしたバトンタッチを幾度も重ねてきたニチアサ枠ですが、その歴史のなかには人気作と人気作の「谷間」に挟まれ、実力ほどの評価に届かなかった作品も存在しました。

 そのひとつが、2003年に放送された『明日のナージャ』です。主人公「ナージャ(CV:小清水亜美)」が母親を探すため世界各国を巡る物語で、1999年から約4年間続いた「おジャ魔女どれみ」シリーズの後継番組としてスタートしました。

 しかし魔法やギャグを軸にした明るい作風の『おジャ魔女どれみ』に対して、『明日のナージャ』では身分差別や貧困、別れといったシリアスなテーマがたびたび描かれます。その雰囲気はどちらかといえば「世界名作劇場」を思わせるもので、『おジャ魔女どれみ』の延長線上にある明るい作品を期待していた視聴者のなかには、戸惑いを覚えた人も少なくありませんでした。

 結果、前作と比較されやすい立場に置かれた『明日のナージャ』は、当初構想されていた2年放送を待たず、1年で終了しています。しかもその後枠を引き継いだのは「プリキュア」シリーズです。大人気ヒロインアニメに前後を挟まれる形となった本作は、まさに「谷間」に埋もれてしまった不遇な名作として知られています。

●不遇の名作は「プリキュア」「仮面ライダー」シリーズにも

 実は20年以上の長い歴史を誇る「プリキュア」シリーズにも、人気作に挟まれた不遇の名作がありました。2006年に放送された『ふたりはプリキュアSplash Star』(以下、Splash Star)です。敵キャラの転向や意外なラスボスの存在など、急展開を重ねる物語はシリーズ屈指のドラマ性を誇り、いまなおファンの間で高く評価されています。

 しかし本作は、絶大な支持を集めた初代および続編『ふたりはプリキュアMax Heart』の後に放送された作品でもありました。シリーズ初の主人公交代は賛否を呼び、結果として続編は制作されていません。一方で後継番組として始まった『Yes!プリキュア5』は、初代に匹敵するほどの人気を博し、続編やスピンオフ作品まで制作されています。強力な人気作に挟まれた『Splash Star』は、実力に対して語られる機会が限られてしまったのです。

 そういった意味では、2008年に放送された『仮面ライダーキバ』もそのひとつに数えられるかもしれません。本作は「紅渡(演:瀬戸康史)」が主人公の現代編と、その父親「紅音也(演:武田航平)」が活躍する過去編が交錯する構成で物語が進みます。仮面ライダーキバvsファンガイアとの戦いはもちろん、昼ドラさながらの濃密な恋愛ドラマも見どころで、特に「紅渡の母親が誰なのか?」という謎は視聴者の関心を集めました。

 しかし前後を固めていたのは、平成ライダー屈指の人気作『仮面ライダー電王』と歴代ライダーが登場する話題作『仮面ライダーディケイド』です。いずれも強烈なインパクトを放った作品だったため、『仮面ライダーキバ』は「その谷間」に置かれる形となりました。それでも作品そのものを高く評価する声は根強く、「放送時期が悪かっただけの名作」と再評価する声も少なくありません。

(ハララ書房)

【画像】13歳から16歳へ! アニメから“3年後”の大人っぽくなった「ナージャ」を見る(3枚)

画像ギャラリー

ハララ書房

エンタメ記事専門の編集プロダクション。漫画・アニメ・ゲームはもちろん、映画やドラマ、声優にも精通。メイン・サブを問わず、カルチャーの最前線を追いかけていきます。

ハララ書房関連記事

もっと見る

編集部おすすめ記事

アニメ最新記事

アニメの記事をもっと見る