制作中断で物語が途切れた「幻のOVA」4選 “その後”ちょっとだけ進展あった作品も?
TVアニメではなく、古くはVHS、近年ではDVDやBlu-rayといったパッケージのみで展開されるOVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)には、完成度の高い作品が多く、隠れた名作も数多く存在します。ところがその一方で、出来の良さとは裏腹に大人の事情で惜しまれながら打ち切られてしまったアニメも少なくありません。
たった2話しか制作されなかった巨匠漫画家の名作

1980年代に広まったOVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)は、TVの放送コードに縛られない自由な表現が魅力でした。しかし一方で、さまざまな事情から打ち切りになることも珍しくなく、未完のまま歴史に埋もれてしまった作品もありました。令和になったいまも、その続きが待ち望まれる作品は数多く存在します。
●『おいら宇宙の探鉱夫』
1994年に発売された『おいら宇宙の探鉱夫』は、全6話の予定が2話までしか制作されなかった幻のオリジナルSFアニメです。小惑星に住む少年「南部牛若(CV:山口勝平)」が小型宇宙船の免許取得に意欲を燃やすなか、核ミサイルを積んだ衛星の衝突事故が発生。その影響で牛若は試験に失敗し、これからどうなるのかという場面で物語は途切れてしまいました。
重力や光など、宇宙空間の物理法則にこだわって描かれたアニメーションは、令和のいま観ても唸らせるほどのクオリティーです。ネット上では現在も「続きが見たい」という声が見られるものの、監督を務めた飯田馬之介さんは2010年に亡くなっています。続編の制作は極めて難しい状況ですが、同じく未完の危機にあった飯田監督のアニメ映画『トワノクオン』は、もりたけしさんが協力監督として完成へ導きました。そう考えると、本作にもまだわずかな望みが残されているのかもしれません。
●『新・キューティーハニー』
1973年に放送されたTVシリーズの数十年後を舞台とする『新・キューティーハニー』(原作:永井豪)も、未完で終わったOVA作品です。当初は12話まで制作される予定でしたが、最終的には8話で制作が途絶えてしまいました。
見どころとなる「ハニー(CV:根谷美智子)」の変身シーンは、滑らかな作画とどこか艶めかしい演出が印象的で、OVAならではの自由な表現を存分に感じさせます。なお脚本までは完成していた第9話については、後にラジオドラマ化され、コンプリートボックスの特典として収録されました。
●『マーズ』
未完のOVA作品には、全4巻の予定が2巻までしか制作されなかった『マーズ』も挙げられます。『鉄人28号』で知られる横山光輝先生の同名マンガが原作で、1981年には『六神合体ゴッドマーズ』のタイトルでTVアニメ化も行われました。
このTVアニメ版、実は原作マンガと設定が大きく異なります。原作で敵対していた「六神体」が、アニメでは「六神ロボ」となって主人公と共に戦うなど、ほとんど原型がないといっても過言ではありません。一方のOVA版は、防衛庁や海上自衛隊が登場するなど独自の要素を加えつつ、比較的原作のイメージに沿った内容で制作されています。
しかし物語は、六神体のうち第3神体が現れた場面で終わってしまいました。主人公「マーズ(CV:佐々木望)」が絶体絶命の窮地に陥るタイミングでもあり、続きが気になった人も少なくなかったはずです。物語の続きは脚本を務めた十川誠志さんによるノベライズ版で確認できますが、その小説版も現在は高値で取引きされており、入手は容易ではありません。
●『エンジェル伝説』
『CLAYMORE』の作者として知られる八木教広先生の『エンジェル伝説』も、1996年にOVAが発売されましたが、制作されたのはわずか2話分のみでした。
本作は、心は天使でありながら顔は悪魔のように怖い主人公「北野誠一郎(CV:飛田展男)」のハードな学園生活を描いた物語です。OVA版は特別生活指導員の登場が示唆されたところで幕を閉じており、不良更生のエキスパート集団「影の7人」は登場せず、ヒロインである「小磯良子」もほとんど活躍しません。物語が本格的に動き出す直前で終わってしまっただけに、惜しく感じたファンも多かったでしょう。
(ハララ書房)

