『ガンダム』アムロにも不評? 不遇の武器「ガンダムハンマー」の本来の使い方とは
おなじみ「ガンダムハンマー」はその初出時、宇宙空間でガンダムがブンブン振り回していましたが、実のところそこにはものすごく高度な技術が使われているはずなのです。どういうことでしょうか?
パイロットにも不評そうな武器だけど…?

アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する「ガンダムハンマー」は、「RX-78-2 ガンダム」のほかの武器と比べると、いささか色合いが異なる印象を受けるかもしれません。
その扱いも、あまり良いとはいえないでしょう。初登場となる第5話「大気圏突入」では、宇宙空間でガンダムを駆り戦っていた「アムロ・レイ」が母艦「ホワイトベース」に追加武器を要請した際、ブリッジの「セイラ・マス」は「ガンダムハンマー『しか』出せない」と言い、アムロも「それでいいです」と答えており、ガンダムハンマーがその程度の位置づけの武器であることをうかがわせます。
ところでガンダムハンマーは、鎖につながったトゲ付き鉄球を振り回す、いわゆる質量武器になります。大質量を運動エネルギーと共に対象へぶつけ破壊するというもので、実際、アニメでは振り回された鉄球が敵モビルスーツ(MS)「ザクII」のボディに当たり、これを破壊しています。
しかし、実際に宇宙空間で鎖付き鉄球を不用意に振り回せば、反作用でガンダム自身も大きく回転してしまうはずなのです。劇中描写でそう見えないのは、スラスターなどで制御されていると考えられるでしょう……と、さらっと書いてしまいましたが、これはハンマー使用時にしか必要とされないレベルの、かなり複雑で高度な制御がなされているはずです。
ではなぜ、アムロやセイラにも「その程度の扱い」だったガンダムハンマーが、わざわざ高度な技術を駆使してまで、武器として採用されているのでしょうか。
ひとつ考えられるのは、ガンダムハンマーもまた試作品という見方です。アムロの駆っていた「RX-78-2 ガンダム」は、あくまで量産機へのフィードバックを前提とした試作機であり、さまざまな武器を試すというのも重要な意味合いを持つはずです。ガンダムハンマーもまた、そうした「いろいろ試してみる」一環で作られた武器といえ、無論そこには、上述した「高度な姿勢制御」を試してみるという目的も含まれているはずです。
もうひとつ考えられるのは、本来、地上やスペースコロニー内など、地に足のついた状態での使用を想定した武器なのではないか、という見方です。特に人が住むコロニー内でビームライフルなど飛び道具を使用するのは、コロニー自体を破壊してしまう危険があるため誰しも避けたいはずで、そうした状況下でのガンダムハンマーは、理にかなった選択かもしれません。
あとは開発者、すなわちアムロの実父「テム・レイ」の趣味という可能性でしょうか。これも決して捨てきれないはずです。
さてその後のガンダムハンマーですが、量産機たる「ジム」や、のちの連邦機に採用されていないところを見ると、やはりMS用の武器としてはいまひとつだったのでしょう。確かに、鉄球にバーニアを搭載して破壊力を増大させた改良型である「ハイパーハンマー」は、そのデビュー戦でMS「ゴッグ」に手でキャッチされるという屈辱を味わっており、査定としては大いにマイナスだったはずです。『機動戦士ガンダム』第26話「復活のシャア」でのことでした。
やがて、劇中で気の遠くなるほどの歳月が流れた『∀ガンダム』の舞台で、「ガンダムハンマー」は再び日の目を見ることになります。そして、ヒロインのひとり「ソシエ・ハイム」のセリフ「チョキでグーに勝てるわけないでしょ」とともに、多くの人の記憶に刻まれることになるのでした。
(マグミクス編集部)
