マグミクス | manga * anime * game

「ガンプラ化して欲しい…」『ガンダム』1年戦争の裏で暗躍した“最強MS忍者”とは?

アニメのサイドストーリーにとどまらず、オリジナルの物語を描くことも多い「ガンダムマンガ」。とくに80年代は今以上に自由で創意工夫にあふれた「ガンダムマンガ」がたびたび登場していました。そのなかから今回は、「本格忍者マンガ+ガンダム」で当時のガンダムファンの記憶に刻まれた『Gの影忍』にスポットを当てます。

和テイストのMSも人気に

 『TV版 機動戦士ガンダム 総音楽集』(キングレコード)
『TV版 機動戦士ガンダム 総音楽集』(キングレコード)

 1年戦争当時、アムロやシャアが戦争をしている裏側でMS忍者が暗躍していたことを皆さんご存じでしょうか? それらは極限まで軽量化されたMS(モビルスーツ)を操り、忍者の秘技を使って連邦とジオンの戦争に影から干渉しました。

 なかでももっとも活躍したのが、隠れ里コロニー出身の忍者「リョウガ」が駆る漆黒のMSです。名は「G」。または「Gの影忍」。たぐいまれなる戦闘力で連邦側の傭兵として任務をこなし、さまざまなMS忍者を撃破しました。

 ここで紹介したいコミック作品『Gの影忍』は、1989年に刊行された「サイバーコミックス」に掲載されたガンダム外伝マンガです。作者は「こやま基夫」氏。

 宇宙世紀の忍者パロディでありながら、そのトーンは基本的にシリアスであり、熱いエピソードもあったりして本格忍者マンガとしての側面も持っていました。

 外伝マンガでありながらガンダムファンの心に刻まれた作品のひとつであり、ファンも「アニメ化してほしい」と度々発言したり、2011年に開催されたホビーイベント「キャラホビ」でガレージキットが販売されたり、『機動武闘伝Gガンダム』の今川泰宏(総監督)氏が「次にガンダムのアニメ作品を作るなら本作を映像化したい」と発言するなど、決してただの外伝では終わらない作品として評価されています。

 本作が誕生した1989年といえば、まだ宇宙世紀関連のアニメ作品しかなかった時代。1988年に『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』が公開され、1989年にはOVA作品『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』が展開していたタイミングでした。アナザー(オルタナティブ)とカテゴリ分けがされた初のアニメ作品である『機動武闘伝Gガンダム』が放送されたのが1994年ですから、同系統のノリとしては早過ぎる作品だったともいえます。

 さてそんな本作ですが、見どころといえば独特の設定とMS忍者のデザインでしょう。

 まず忍者パロディとして面白かったのは、リョウガが使う「ミノフスキー隠れの術」です。ミノフスキー粒子とは宇宙世紀ガンダムの基本設定のひとつであり、レーダーをかく乱させる効果があります。そのため白兵戦用としてMSが開発され、戦闘ではMS戦が主流となったという背景がありました。

「ミノフスキー隠れの術」とは、そのミノフスキー粒子にトリカブトやマツの実などを混ぜて粉末状にし、それを散布することでMSのレーダーをかく乱するというもの。当然、本家ガンダムにそのような設定はなく本作のお遊び要素です。

 またリョウガはコロニーなどの隔壁を跳ね上げて盾にする「隔壁返し」(畳み返しのようなもの)の使い手で、それで窮地を脱したこともありました。

 ストーリー面では、コミックス収録分の最終章となる「百騎夜行」編が特に熱い展開に。さまざまなMS忍者が一斉に集って地球の命運をかけた戦いに挑むのですが、リョウガ以外のMS忍者たちの個性が光っていて大スペクタクルなストーリー運びとなっていました。

 MS忍者のデザインで目を引くといえば、やはり主役の「G」です。細身のボディはZガンダムを思わせる中性的なフェイスとなっており、漆黒のカラーリングが全体を引き締めていました。

 そのほかのMS忍者もすべて和のテイストにアレンジされていて、例えば忍者ザク、彫り師仕様のザクレロ、虚無僧タイプのドム、歌舞伎仕様のキュベレイといった、こちらもガンプラで欲しくなる特徴的なデザインばかりです。

『Gの影忍』は現在、こやま基夫氏の同人コミックとして続編が綴られているので、そちらとあわせてぜひお楽しみください。願わくばガンプラ化も叶ってほしいところです。

(気賀沢昌志)

【画像】え…っ!「ガンプラ化してほしい」こちらが『ガンダム』1年戦争の裏で暗躍した“最強MS忍者”のビジュアルです(2枚)

画像ギャラリー

気賀沢昌志

アニメ・ゲーム・映画・VTuberなどエンタメ全般で活動するフリーライター。アニメ制作会社AICを経て編集プロダクションへ、その後フリーランスとなる。現在でも紙媒体を担当し、ラフの作成から執筆までを担当。シナリオ執筆経験もあり、趣味の範囲ではあるものの、アドベンチャーゲーム制作ツールで自作ゲームを制作中。

気賀沢昌志関連記事

もっと見る

編集部おすすめ記事

マンガ最新記事

マンガの記事をもっと見る