マグミクス | manga * anime * game

『ばけばけ』21週はトキが倒れる? モデル人物は熊本の女中から「呪いがうつる」悲しい怪談を聞いたらしい

連続テレビ小説『ばけばけ』第21週では、トキが呪いにかかってしまうようです。

来週は「呪われてる女」と出会う

朝ドラ『ばけばけ』で松野トキ役を演じる女優の高石あかりさん。画像は「高石あかりファースト写真集 幻灯」(東京ニュース通信社刊)発売時の写真。
朝ドラ『ばけばけ』で松野トキ役を演じる女優の高石あかりさん。画像は「高石あかりファースト写真集 幻灯」(東京ニュース通信社刊)発売時の写真。

 2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』の第20週100話の最後に流れた第21週の予告では、主人公「松野トキ(演:高石あかり)」が、なぜか「呪われてしまう」ことが語られていました。予告の最後では、トキが倒れこんでいます。いったい何があったのでしょうか。

※ここから先の記事では『ばけばけ』のネタバレを含みます。

 21週の予告では、トキが謎の女性と出会っている姿も描かれていました。公式サイトにある21週103話のあらすじを見ると、トキは夫「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」の執筆のネタ探しをする中で、古い言い伝えに詳しい現地の女性、「吉野イセ(演:芋生悠)」と出会うそうです。

 そのイセは公式サイトで、「ある田舎の村の様々な言い伝えに詳しい女性。どうやら呪われているらしい」と紹介されていました。続く104話のあらすじでは、イセが自分が呪われている理由に関して、トキに身の上話をすることも語られています。トキはその話を聞くことで、呪われてしまうのでしょうか。

 実は、ヘブンのモデルであるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の1897年9月に出版された著作『仏の畑の落穂』のなかには、『人形の墓』という短編があります。こちらはある時家に招き入れた「イネ(稲)」という11歳くらいの少女から、八雲本人が不幸で恐ろしい身の上話を聞くという形の物語でした。

 イネが住んでいた地方には、同じ年に葬式を2回した家は人形を入れた3つ目の墓を作って供養をするという風習があったそうです。そうしないと身内にさらなる不幸が続くというのですが、ある年に父と母が立て続けに亡くなっても、イネの兄は人形の墓を作りませんでした。

 するとまだ19歳だった兄は、母の死から49日後に、母に呼ばれているかのような幻覚を見ながら病死します。その年の冬には祖母も亡くなり、残されたイネと幼い妹は別の家に引き取られ、家は途絶えたそうです。

 イネはこの話を終えると、自分が背負っている不幸がうつらないよう、八雲に自分が座っていた部分の畳を叩いてから座るよう頼みます。しかし、優しい八雲は彼女の悲しみを引き受けようと、畳を叩かずにそのまま座り込みました。

『人形の墓』は、要約するとこのような短編です。イセは、このイネという少女がモデルのキャラだと思われます。トキは八雲のようにイセがいた畳に座って、呪いにかかってしまうのでしょうか。

 ちなみに、八雲の東京帝国大学時代の教え子・田部隆次が書いた伝記『小泉八雲 ラフカディオ・ヘルン』には、『人形の墓』は「熊本で雇い入れた梅という名の子守りの身の上話であった」と書かれていました。身寄りがなかったという熊本出身の女中の梅は、その後、神戸、東京でも八雲の家で働き、1899年に熊本に帰って結婚しています。

 また、『人形の墓』ではイネを家に招き入れ、八雲と一緒に話を聞く人物として稲垣万右衛門(八雲の妻・セツの養祖父で「松野勘右衛門」のモデル。実際は熊本まで一緒に来ていた)が登場していました。ただ、『小泉八雲 ラフカディオ・ヘルン』では、実際に八雲とともにイネの話を聞いたのは、セツだと語られています。

 トキのモデルであるセツは、八雲に頼まれて、本だけでなく女中や植木屋、女髪結い師、屑屋などの市井の人びとから珍しい話を仕入れ、それを夫に聞かせていました。『人形の墓』も、そういった活動のなかで生まれた一篇です。

 さて、熊本にいたときにお梅から『人形の墓』の話を聞いたセツが、呪いにかかったような出来事はあったのでしょうか。実は八雲が松江の親友・西田千太郎(「錦織友一」)に贈った1892年4月12日付の手紙には、熊本で熱病が流行っていることや、セツがインフルエンザによって3週間も寝込み、自分も4日ほど熱が出てしまったことが書かれていました。

『ばけばけ』第20週では1892年2月頃の話が描かれているので、21週では同年春頃にトキがインフルエンザにかかって倒れるエピソードが挟まれるのかもしれません。十分な治療法もない時代だけに、少し心配です。

※高石あかりさんの「高」は正式には「はしごだか」

参考書籍:『ラフカディオ・ハーン 西田千太郎 往復書簡』(八雲会)、『八雲の妻 小泉セツの生涯』(潮出版社)、『仏の畑の落穂』(恒文社)、『小泉八雲 ラフカディオ・ヘルン』(中央公論新社)

(マグミクス編集部)

【画像】え、これが呪い? コチラがトキのモデル・小泉セツが実際にかかった「恐ろしい病気」です

画像ギャラリー

マグミクス編集部関連記事

もっと見る

編集部おすすめ記事

ドラマ最新記事

ドラマの記事をもっと見る