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早く解放してあげて 『ばけばけ』まだ銀二郎が籍にいる松野家に視聴者の疑問続出 史実で「除籍」手続きが行われた時期は

連続テレビ小説『ばけばけ』112話では、トキの元夫・銀二郎がまだ松野家の籍にいることが判明しました。

トキのモデルは1890年時点で生家に復籍していた

銀二郎役の寛一郎さん(時事通信フォト、2024年11月26日)
銀二郎役の寛一郎さん(時事通信フォト、2024年11月26日)

 連続テレビ小説『ばけばけ』第23週112話では、主人公「松野トキ(演:高石あかり)」と夫「レフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)」たちが、正式に夫婦になり、息子「勘太(演:土井嶺)」の籍の問題を解決するため、久しぶりに松江に戻ってきました。さっそくトキとヘブンが市役所に行くと、なんとトキの養家・松野家の籍に、まだ元夫「銀二郎(演:寛一郎)」がいることが判明します。

 トキたちは市役所職員から、銀二郎がいる限りヘブンが松野家の籍に入ることはできない、と言われてしまいました。トキが銀二郎にはいまさら手続きは頼めないと言うと、職員は代わりにトキが生家の雨清水家の籍に戻り、そこにヘブンが入籍するという方法も提案しています。

 トキとしては、今は東京で会社を経営している銀二郎にもう迷惑をかけられないと思ったのでしょうが、視聴者からは

「トキは銀二郎に何も伝えずに雨清水家に籍を移すつもりなのか?」

「いや、銀二郎さんそのままもかわいそうでしょう」

「銀二郎が松江に再び現れた時、復縁はしないと直接松野家に伝えていたので、あの時に籍抜いて行ったのかと思ってた」

「銀二郎さんの籍まだ抜いてなかった!つ、司之介ーー!」

「今更、こちらから銀二郎さんに松野家の籍から出てってくれ、とは言い辛いだろうけど、もしそのまま放っておいてそのうち銀二郎さんが他の人と結婚したいってなったらどうなるんだろ」

「はやく銀二郎さんを松野家から解放してあげて」

 といった声が相次ぎ、銀二郎のためにも彼に知らせて正式に籍を抜くべきではないか、という意見も出ていました。

 銀二郎は1886年にトキと結婚するも、松野家での生活に耐え兼ねて出奔し、東京に行ってしまいます。その後、まだトキのことが好きだった彼は、東京で社長として成功して1891年に松江に戻ってきました。その際、トキの養父「司之介(演:岡部たかし)」が、まだ銀二郎の籍を抜いていないと告白しています。

 結局、銀二郎はトキはヘブンと一緒になった方がいいと身を引きましたが、司之介の判断なのか、単に手続きを忘れたのか、銀二郎は戸籍上で松野家の人間のままになっていました。今後、銀二郎は松野家から解放してもらえるのか、史実の出来事を見てみましょう。

 トキのモデル・小泉セツは、1886年に前田為二という鳥取の士族の男性を養家・稲垣家の婿に迎えて結婚するも、1年ほどで彼に逃げられてしまいます。為二は稲垣家の養子になっていたため、離婚を成立させるにはセツが稲垣家を抜けるしかなく、彼女は1890年1月に生家・小泉家に復籍しました。夫となるラフカディオ・ハーンと女中として出会うのは、それから1年後のことです。

 戸籍の問題などはややこしいので、『ばけばけ』ではトキの生家復籍と、ヘブンの帰化や正式な結婚の問題などを、1893年1月頃の時点で一度にまとめて描いていると思われます。さまざまな手続きを経て、ハーンがセツを戸主とする小泉家の分家に入籍して日本人・小泉八雲になれたのは、1896年2月のことでした。

 そして、1886年からずっと稲垣家の養子のままだった為二が籍から外れたのは、1901年のことです。司之介のモデルである稲垣金十郎が1900年11月に亡くなり、跡取りのいない稲垣家の姓を保つため、セツたちの次男・巌(当時4歳)が翌年の9月に稲垣家の養子となっています。そして、為二は15年前の失踪を理由に、稲垣家から除籍されました。

 ちなみに、為二はセツとの離婚後に岡山県で会社を営み、銀二郎のように成功を収めています。1897年、稲垣家の親戚である高木苓太郎という人物が為二と偶然再会して、彼が工事請負業の会社を経営していることを知ったそうです。

 苓太郎は当時東京にいた金十郎宛に手紙を出し、まだ養子として籍が残っている為二に稲垣家を継がせる気はないかと確認しています。しかし、当時すでに家庭も持っていたという為二が、稲垣家に戻ることはありませんでした。

 モデル・為二は本人のあずかり知らぬところで勝手に稲垣家から除籍されたようですが、東京にいる銀二郎はどうなるのでしょうか。史実通りに話が進めばトキたちは1896年9月頃から東京で暮らし始めるので、東京で彼と再会してそこでようやく松野家から籍を抜く、という展開もあるかもしれません。銀二郎の再登場に期待です。

※高石あかりさんの「高」は正式には「はしごだか」

参考書籍:『八雲の妻 小泉セツの生涯』(潮出版社)、八雲会年刊会誌『へるん No.62』

(マグミクス編集部)

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