声優・三石琴乃さんの誕生日。「葛城ミサト」「セラムン」にとどまらない、多彩な演技力
葛城ミサト以外にも多くの「大人の女性」演じる

そして、1995年にもうひとつの代表作である『新世紀エヴァンゲリオン』で葛城ミサトを演じます。このミサトも三石さんのはまり役となりました。その人気の高さは今さら説明する必要がないくらい。エヴァンゲリオン関連商品が出る際、パイロット以外で商品化されているのですから、わかりやすいですよね。
三石さんの魅力といえば、前述したふたりもそうですがテンションの高い流れるようなセリフ回しです。それを感じさせるキャラといえば、『愛天使伝説ウェディングピーチ』(1995年)のポタモス、『エクセル・サーガ』(1999年)のエクセルなどがインパクト的には外せません。
しかし、テンションが高い役どころだけでなく、『クレヨンしんちゃん』(1992年~)の上尾ますみ先生のような引っ込み思案のキャラ、『少女革命ウテナ』(1997年)の有栖川樹璃のような硬質なキャラなど、さまざまなタイプのキャラも絶妙に演じています。
さらに21世紀以降は、大人の女性役が増えました。『名探偵コナン』(1996年~)の水無怜奈(本堂瑛海)/キール、『ONE PIECE』(1999年~)のボア・ハンコックのふたりは、今後もまだ出番があるキャラだけに新たな活躍に期待が持てます。他にも『機動戦士ガンダムSEED』(2002年)のマリュー・ラミアスは、ゲームなどで新規のセリフが聞けることが多く、ある意味で現役キャラくらいの知名度がありますね。
また母親役も多くなってきました。2005年からリニューアルされた『ドラえもん』から、のび太のママを演じています。この他にも『GEAR戦士 電童』(2000年)のベガ/草薙織絵、『ガンダムビルドファイターズ』(2013年)のイオリ・リン子など、一風変わった母親役も演じていました。特撮番組になりますが『手裏剣戦隊ニンニンジャー』(2015年)では有明の方を演じています。しかもVシネマでは珍しい俳優としての出演をしていました。
あと、三石さんで印象深いのはナレーターとしての活躍です。バラエティー番組などのナレーターも多いのですが、前述した『機動戦士ガンダムSEED』での予告編で〆のセリフになる「〇〇ガンダム!」というシャウトのような熱い語りや、『デート・ア・ライブ』(2013年~)のオープニングのイントロ部分での淡々とした語りは音楽と一緒に脳内再生されるくらい印象的です。
他にもご紹介したいキャラは大勢いますが、文字数の都合でご容赦ください。お誕生日を迎えて更なる高みに向かう三石琴乃さんの今後の活躍も、いちファンとして応援していきたいと思います。
(加々美利治)