声優・三石琴乃さんの誕生日。「葛城ミサト」「セラムン」にとどまらない、多彩な演技力
12月8日は声優の三石琴乃さんのお誕生日です。そこで三石さんがこれまでに演じてきたキャラを振り返りながらお祝いしたいと思います。代表的キャラクターとなった「葛城ミサト」や「セーラームーン」以外にも、三石さんの強みが活かされたキャラクターがたくさん登場しています。
一躍スターダムに推しあがった、はまり役「セーラームーン」

本日12月8日は、声優の三石琴乃さんのお誕生日です。そこで、三石さんがこれまで演じていたキャラをご紹介しながら足跡をたどってみたいと思います。
誰もが知っている三石さんの代表作といえば、『美少女戦士セーラームーン』(1992年)の月野うさぎ/セーラームーンと、『新世紀エヴァンゲリオン』(1995年)の葛城ミサトだと思います。しかし、他にもメジャーなものからマイナーなものまでさまざまなキャラを演じてきていました。
デビュー作はOVA『エースをねらえ! ファイナルステージ』(1989年)の友代役になります。その後、注目を集めるようになったのは、『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』(1991年)の菅生あすか、『ゲンジ通信あげだま』(1991年)の平家いぶきからだと思います。あすかはその後にも同シリーズのOVA作品で活躍していましたし、いぶきはセーラームーンパロディを披露して、カルト的な人気のあったキャラでした。
そして、翌年の1992年に演じた『セーラームーン』で知名度を急上昇させて一躍、人気声優としての地位を確立します。
セーラームーンは作品的な魅力ももちろんですが、三石さんの演技でキャラがイキイキしていたことが人気の秘密だったと思います。テンションの高いギャグ調の軽い演技から一転、悲しみや凛々しいシリアスな声に切り換わるところが最大の魅力だったのではないでしょうか。後に共演したベテラン声優の神谷明さんいわく、「自分もあれくらいの歳であの演技ができれば苦労しなかった」と絶賛していました。
しかし、第1シリーズ終盤で盲腸のため、セーラームーン役を途中降板します。その後、3か月ほど経過して無事に復帰しました。実は、後に本当の病名が発表された時、本当は命に関わるほどの重病だったことが明かされ、おどろいたものです。
そんなこともあって、三石さん自身もセーラームーン役には思い入れは深いようです。リメイクされた際にキャストが一新された『美少女戦士セーラームーンCrystal』(2014年)で唯一、以前と同じようにセーラームーン役を演じていることからも、そのことがうかがえます。もちろん、以前と変わらぬ声が出せるという声優としてのスキルの高さがあればこそでしょう。