最終回迎える「麒麟がくる」と関わり深いゲーム『鬼武者』…「本能寺の変」も納得の設定
納得感のある「本能寺の変」の描き方

とはいえこの『鬼武者』、発売当時のキャッチコピーが「空前絶後のバッサリ感」というものだっただけあり、「バイオハザード」シリーズと比較するとホラー的な要素は少ないように思います。
少しネタバレ的なことをお伝えすると、“鬼武者”は稲葉山城に巣食う“幻魔一族”にかつて滅ぼされた“鬼の一族”から“鬼の籠手”を与えられた左馬介が敵を斬り倒していく内容なのですが、巨大な敵が相手でも霊力を宿した“雷斬刀”“炎龍剣”“疾風刀”での特殊攻撃(戦術殻)を駆使すれば、何とか切り抜けることができます。
また、敵の幻魔を倒した後、×ボタンで籠手に魂を吸収すれば“体力”や“鬼力(戦術殻を使う為のパワー)”を回復させることができるので、「バイオハザード」で薬草も銃弾もない状態の絶望感に苛まされることもありません。
ちなみに途中でプレイヤーキャラが“くの一”の「かえで」に切り替わった際は“鬼の籠手”がないゆえ、戦闘もそれなりに苦労しますが、やはり敵キャラを刀でバッサリとやっつけていくアクションは爽快です。こうした特徴も、同作がPS2用ソフトとして初のミリオンセラーを記録した要因ではないでしょうか。
クリアした後の特典映像を見る限り、当初から“続編”の発売が予定されていたゆえ、エンディング自体は少しモヤっとする内容ですが、ゲームとしての完成度はかなりのもの。またこの物語ならば後の歴史にある「本能寺の変」の理由も合点がいきます。
2月7日に放送される『麒麟がくる』の結末がいかなるものになるか……クライマックスとなる「本能寺」では多くの視聴者が納得するスッキリとしたエンディングを期待したいところです。
(渡辺まこと)