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『装甲騎兵ボトムズ』はリアルロボットアニメの頂点? 主人公が乗り継いだ機体は20機以上…

1984年のTV放送から始まった「装甲騎兵ボトムズ」のシリーズ作は、徹底して戦場のリアルを描き、他のサンライズのロボットアニメのなかでも一線を画す内容です。明確な「主人公機」が存在せず、多くの量産機が消耗品として乗り継がれていくのも、その特徴のひとつでした。

徹底した「リアル」路線と世界観

TVアニメ『装甲騎兵ボトムズ』キービジュアル  (C)サンライズ
TVアニメ『装甲騎兵ボトムズ』キービジュアル  (C)サンライズ

 1984年の4月からテレビ東京系で放映された後、OVAシリーズ化され今なお高い人気を誇る『装甲騎兵ボトムズ』の作品群を網羅した『装甲騎兵ボトムズ Blu-ray Perfect Soldier Box』が、2021年2月25日に発売されました。

 価格は税抜きで8万5000円という、ナカナカに強気な設定となっているのですが、『機動戦士ガンダム』からはじまるサンライズの「リアル・ロボットアニメの頂点」といわれる同作品の熱狂的なファンも多いと思います。

 物語の舞台は、「アストラウス銀河」を二分する「ギルガメス」と「バララント」による「100年戦争」の末期から終戦までの時代。主人公であるキリコ・キュービーが「味方が味方を襲う内容も知らされない作戦」に参加し、そこで偶然知った秘密を巡り、逃亡と戦闘を繰り返し、宇宙を支配する「謎」に迫っていく……というハードな内容です。

 同作品が多くの人の心をとらえる理由は、他のアニメ作品にはない革命的な設定といえる「リアルさ」と、その世界観にあります。

 まずタイトルの『装甲騎兵ボトムズ』。今さら当たり前のことを言いますが、「ボトムズ」なるロボットは作中に登場しません。これまでのロボット・アニメ作品といえば『鉄人28号』や『マジンガーZ』、『機動戦士ガンダム』など、一応タイトルに主役メカを冠したものがほとんどだったのですが、この『ボトムズ』とは、設定上の見解では「Vertical One-man Tank for Offence & Maneuver-S:攻撃と機動のための直立一人乗り戦車」の略称とのことで、劇中では「パイロットの生存率よりも生産効率を重視した最低の兵器」であることや、それを操るパイロットの素行の悪さから「最低の野郎たち=ボトムズ」というスラングであると言われています。

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