『マクロス』ミンメイの「無重力シャワー」 あれって本当に可能なの?
劇場版『マクロス』でミンメイが披露した「無重力シャワー」のシーン、あれって可能なのでしょうか。その答えは、実際の宇宙開発史にありました。
宇宙でシャワーって物理的にどうなの?

1984年に劇場公開されたアニメ『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』は、メカアクションはもちろん、キャラクターの美麗さなど、そのハイクオリティなセル画表現でいまなお語り継がれる作品です。
そうしたビジュアルで描かれた印象的なシーンのひとつに、「リン・ミンメイ」のシャワーシーンが挙げられるでしょう。ミンメイと「一条輝」はこのとき、艦内の無人の無重力区画で遭難しており、輝がビニールカーテンのようなもので周囲を覆いブースを整え、ミンメイが中で楽しげにくるくる回りながらシャワーを浴びるというシーンでした。
ところでこの無重力空間でのシャワー、本当に可能なのでしょうか。
その答えは、現実の宇宙開発史にありました。JAXA(宇宙航空研究開発機構)の公式サイトによると、1974年、アメリカの宇宙ステーション「スカイラブ」では、直径90cmの円筒型のルームにゴーグルをかけて入り、ホースから直接水を吹きかける形でシャワーを浴びた記録が残されています。つまり、無重力空間でのシャワーは理論上も実践上も「可能」だったのです。
とはいえ、現実の無重力シャワーは想像以上に大変だったといいます。無重力では水滴が飛び散って機器に悪影響を与える可能性があるため、使用後の水滴の回収もひと苦労だったとか。結果的に、現在の国際宇宙ステーションでは「濡れタオルで体を拭く」方式となっており、髪は泡が出にくいドライシャンプーを使い、洗い終わったあとは乾いたタオルでふき取っているそうです。
さて、ここで『マクロス』のシーンを改めて見直してみましょう。そこは無人区画、水滴が飛び散る心配は不要そうです。そして、シャワーの水は一定の水圧がかかっているように見えます。
実際のところ、無重力空間での水は球状になって浮遊しますが、水圧がかかり吹き出しているのであれば、その方向に水流状となるのは想像がつくでしょう。ただし、無重力下であるため、水がしたたり落ちるということはなさそうです。一方で無重力下の水は、体に触れれば表面張力で張り付く性質があります。
つまり、ミンメイは自ら回転することで、水を体全体に行き渡らせている、とも解釈できそうです。そうなるとミンメイは、シャワーを浴びているようでいて、実のところお風呂に入っているような状態になっているとも考えられます。ただ、あのクルクル回っているのにも実用的な意味があったとするのは、やや無粋にすぎるかもしれません。
なお、排水をどうしているかはよくわかりません。吸引できる機器が備わっているようには見えませんでしたが……いえ、画面の外で、きっと何かしら対策していたのでしょう。
(マグミクス編集部)
