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昭和100年を「90年代リバイバル」が席巻? 2025年を彩る異色のレトロアニメ、衝撃の3作

最新アニメを観たいけど、そればかりだとちょっとしんどい。そんな人におすすめしたいのが、今年なぜか多いレトロ風味の強いアニメです。

節目の年に多かった、アニメの傾向って?

『新星ギャルバース』ビジュアル (C) 2025 WAGAMI Labs / (C) WAGAMI Labs
『新星ギャルバース』ビジュアル (C) 2025 WAGAMI Labs / (C) WAGAMI Labs

 2025年は「昭和100年」という節目の年にあたります。その影響もあってか、今年はレトロテイストなアニメが多数見られます。懐かしさを感じる作風は、若い世代には新鮮に、そして往年のファンにはたまらない魅力として映っているでしょう。今回はなかでも目立った3作品を紹介します。

●『新星ギャルバース』

「90年代から00年代のノスタルジックアニメにギャルカルチャーを取り入れ、現代の価値観で再構築」というコンセプトを掲げる『新星ギャルバース』は、6月に1話のみ配信という、異例の形式で登場しました。

 そのビジュアルは「コテコテ」の90年代テイストであり、2025年のアニメシーンではあまりに異質です。さらに特筆すべきは、たった1話22分限りなのに物語がやたらと壮大なことでしょう。まるで長編シリーズの序章を思わせるような濃厚な世界観とストーリーテリングで、観る者を一瞬で引き込みます。たった1話ながら、2025年アニメでも屈指の挑戦作と言えるでしょう。

●『元祖!バンドリちゃん』

『元祖!バンドリちゃん』ビジュアル (C)BanG Dream! Project
『元祖!バンドリちゃん』ビジュアル (C)BanG Dream! Project

 人気コンテンツ『BanG Dream!』シリーズの最新ショートアニメ『元祖!バンドリちゃん』の第1話でも、濃密なレトロ風味を感じられました。「戸山香澄」らシリーズの主要キャラクターが、なぜか『新星ギャルバース』と同様の90年代テイストで描かれ、しかもわずか1分という尺で「ベタベタ」な展開の物語がダイジェストで語られます。そのカオスさと情報量の多さは、ショートアニメの概念を覆すほどです。

 第2話以降はいつもの『バンドリ』シリーズのショートアニメになりましたが、この第1話のインパクトはあまりに強烈でした。一発ネタで終わらせるにはあまりに惜しく、この路線でのシリーズも観たいと感じた視聴者もいたのではないでしょうか。

●『暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが』

『暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが』ビジュアル (C)赤井まつり・オーバーラップ/暗殺者のステータスが勇者よりも強い製作委員会
『暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが』ビジュアル (C)赤井まつり・オーバーラップ/暗殺者のステータスが勇者よりも強い製作委員会

 ここまでに紹介した2作は飛び道具的な意味合いが強いことを考えると、レトロテイストにどっぷりと浸りたい方には現在放送中の『暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが』がおすすめです。昨今多く制作されている異世界ファンタジーの本作は、かつてのOVA全盛期を彷彿とさせるようなビジュアルで異彩を放っています。

 本作の特徴は、影が多めに使われている点です。小説版の表紙イラストなどを見るとそうではないため、これは『蒼穹のファフナー』や『境界戦機』で知られるベテランの羽原信義監督らスタッフの采配によるものでしょう。おかげで「ダークファンタジー感」がよく演出されています。オールドアニメファンも「なろう系だからどうせよくある作品だろう」と敬遠せずに、ぜひ一度本編を観てみてほしいです。

 しかし改めてみると、今回紹介した作品のテイストは、厳密には「昭和」というよりも「平成前期」、特に90年代のアニメを強く意識しているように感じられます。相次ぐ懐かしアニメのリメイクや再放送と合わせると、これは現代における90年代リバイバルの一環と考えるのが正しいのかもしれませんね。

(はるのおと)

【画像】あれ、「時代バグった?」こちらが90年代風&キャスト豪華すぎで驚かせた「コテコテ」アニメです

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はるのおと

アニメやマンガ、ゲーム、デジタルガジェットに関するライター・編集。週に65本くらいTVアニメを楽しみながら、大体アニメ関係のメディアや雑誌やムックや公式サイトなどでテキストを書いています。著書に「90年代アニメ&声優ソングガイド」(DU BOOKS)など。いつでもお仕事募集中。
Xアカウント:@harunoto

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