『ナイル殺人事件』日本語版声優、津田健次郎・早見沙織らのおすすめ吹替作品たち

名探偵の相棒も、アメリカを代表するヒーローも演じる

　ミステリーの女王、アガサ・クリスティによる名作『ナイルに死す』を映画化した『ナイル殺人事件』。吹替版には、ドラマ『最愛』に出演したことでも話題となった津田健次郎さんをはじめ、人気の声優陣が集結し、注目を集めました。今回は、『ナイル殺人事件』で吹替を担当した人気声優たちの、その他のおすすめ吹替出演作品を紹介します。

●津田健次郎のおすすめ吹替作品：『君の名前で僕を呼んで』

　アニメ『呪術廻戦』の七海建人役や、『テニスの王子様』の乾貞治役で知られる津田健次郎さんは、『ナイル殺人事件』ではアーミー・ハマー演じるサイモン・ドイル役の吹替を担当しました。大富豪の女性と結婚したことで逆玉の輿に乗ったサイモンは、津田さんの憂いを帯びたセクシーな声によって、より怪しい魅力のある存在になっています。

　津田さんは、映画『スター・ウォーズ』シリーズの続三部作でカイロ・レンを演じたアダム・ドライバーの吹替を担当するなど、数多くの作品に出演していますが、今回の『ナイル殺人事件』でも担当したハマーの吹替には、特に惹き付けられます。『君の名前で僕を呼んで』(2018年)では、年下の青年・エリオットと情熱的な恋に落ちる大学院生・オリヴァーの吹替を演じ、幸せを感じさせる台詞から苦悩を思わせる表情まで、情感豊かに表現しています。

●中村悠一のおすすめ吹替作品：『アベンジャーズ/エンドゲーム』

　アニメ『呪術廻戦』の五条悟役や、『マクロスF』の早乙女アルト役で知られる中村悠一さん。『ナイル殺人事件』では、トム・ベイトマン演じるブーク役の吹替を担当しています。主人公・ポアロの盟友であるブークは、前作『オリエント急行殺人事件』から続投しており、シリーズの空気感を作る重要な役どころ。中村さんの心地良く響く声は、ブークのユーモア溢れるチャーミングさを前面に押し出しています。

　中村さんは映画『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011年)以降、マーベル・シネマティック・ユニバース内でキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースを演じるクリス・エヴァンスの吹替を担当するなど、洋画吹替でも実力を発揮しています。特に、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)では、真っ直ぐで頼りがいのあるキャプテン・アメリカの最後の勇姿を力強く表現し、どこか人間味を感じさせる姿まで繊細に演じています。