本気で信じてた?『男塾』民明書房の説得力あるウソ説8選 ゴルフの発祥は中国
ぶっ飛びすぎの民明書房に、じわじわと押し寄せる疑惑

●じわじわと疑惑を生んだ拳法説
大威震八連制覇(だいいしんぱーれんせいは)編で月光のクールさと強さが光るのが、男塾の一団に向かって転がり落ちてくる巨大な鉄球を「辵家核砕孔(ちゃくけかくさいこう)」の一撃で粉々にするシーンです。この技の仕組みについて、民明書房の『分子各構造その理論』では、物体の核である「ブルッツフォン・ポイント」を見極めれば、ダイヤモンドであっても一撃で破壊することが可能だとされています。これはかなりの子供たちが信じたと言われる、民明書房のトンデモ学説の最高峰です。
さらに、七牙冥界闘(ばとるおぶせぶんたすくす)編で、飛燕が戦ったデバレスは、両腕に装着した翼で上昇気流をとらえ、空中からの素早い攻撃をしかけるという戦法を用いました。その「魔翔流気法(ましょうりゅうきほう)」について、民明書房『バットマンかく語りき』では、古代中国の山岳民族である抜娉族(ばっとうぞく)が編み出したものだと紹介しています。この技をマスターできるのは「3万人にひとり」とされ、達成者は「抜娉万(ばっとまん)」と称えられたというのです。さすがにこれは、それまで民明書房の引用を信じていた読者の心をざわつかせたと言われています。
そして、この「抜娉万」の次の回に登場したのが、ヘルバーという「鉄騎宙弾(てっきちゅうだん)」の使い手でした。民明書房『玩具に見る古代中国の英知』によれば、鉄騎宙弾はバネを使った道具で身のこなしの素早さを倍増させる拳法であり、「中国漢代の武術師範宝浜具(ほう・びんぐ)」は発明したものであるとしています。子供用玩具である「ホッピング」の名称はこの宝浜具の名前に由来するというこの説によって、かなりの数の読者が我に返ることになったのではないでしょうか。
●意外なグルメ情報もあった自然科学説
天挑五輪大武會の決勝で男塾が戦った冥凰島十六士のひとりで、水中での戦闘を得意とするフビライカーンが最後の切り札として出したのが、「モングール・ピラニア」でした。民明書房刊『喰うか喰われるか!!世界食通事情』によると、モングール・ピラニアとは、蒙古(モンゴル)・オリノル川に棲息するピラニアです。体長が大きく狂暴なモングール・ピラニアは、100匹もいれば「水牛をものの数十秒で白骨」にできるほどと説明されています。そんなモングール・ピラニアの肉は「燕の巣・熊の掌と並ぶ満漢全席3大珍味のひとつ」とされるほど美味しいと書かれており、未知の食材への興味をそそりました。
そんなちょっと興味がわくグルメ情報の一方、想像すると食欲が減退してしまう情報もあります。天挑五輪大武會の決勝トーナメント2回戦で男塾・飛燕が戦った王家の谷の守護者たち(ファラオ・スフィンクス)のひとり、石壺(クヌム)のネスコンスは、極端に柔らかい体と、関節を外して長さを意のままにできる四肢を持っていました。ネスコンスが体得しているのは、中国拳法でいう「壺晏逅寺軟體拳(あんこうじなんたいけん)」という特殊な拳法だと、民明書房『世界の怪拳・奇拳』の引用で紹介されています。それによれば、修行者は生まれた時から「酢を満たした大甕のなかで生活・成長」することで、体質を柔軟に変えたというのです。さらに、この軟體拳の達人・陳辣韮(ちん・らっきょう)が「修行中に自分の壺に実を漬け、製造・販売した」のが、カレーのおともでおなじみのラッキョウの名前の由来だと書かれています。ずっと人間と一緒に漬かっていた……うっかり想像すると、食欲が減退してしまいそうです……。
そのほかにも、『魁‼男塾』では富樫の命を救った上昇気流「昇龍風(しょうりゅうふう)」や、胸に「闘」の文字を刻んで激励する「血闘援(けっとうえん)」など、民明書房の書籍からという形で、さまざまな説が紹介されました。あなたの心に残っている説は、どんなものですか?
(山田晃子)