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『鬼滅の刃』いつの間にか”なかった”ことに!? 多くの読者が「布石」と勘違いした初期設定

『鬼滅の刃』には、「これは後々、重要になるに違いない!」と視聴者の胸を高鳴らせたにもかかわらず、そっとフェードアウトした「設定」があります。今回は、布石かと思ったら肩透かしをくらった「初期設定」を振り返ります。

疑問を残して静かに消えた設定も?

TVアニメ『鬼滅の刃』シリーズ全編再放送で公開されたキービジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
TVアニメ『鬼滅の刃』シリーズ全編再放送で公開されたキービジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 2026年4月9日(土)からTVアニメ『鬼滅の刃』の全編再放送が始まりました。『鬼滅の刃』には「これは後々、重要になるに違いない!」と視聴者の胸を高鳴らせたにもかかわらず、そっとフェードアウトした「設定」があります。今回は、布石かと思ったら肩透かしをくらった「初期の設定」を振り返ります。

※この先の記事には、まだアニメ化されていない部分のネタバレを含んでいます。ご注意ください。

「週刊少年ジャンプ」(集英社)らしい、「主人公の成長」の「ものさし」になると多くの読者が思ったのが「鬼殺隊の階級制度」です。多くの『鬼滅』ファンが「竈門炭治郎」が仲間の「我妻善逸」や「嘴平伊之助」とともに切磋琢磨して階級をあげ、「柱」になる道筋があると考えたのではないでしょうか。

 しかし、実際に階級について触れられたのは「那田蜘蛛山」で先輩隊士の「村田さん」に出会う場面と「遊郭編」で定期連絡に集まった伊之助と炭治郎が「藤花彫り(とうかぼり)」について話す場面だけです。

 ちなみに「藤花彫り」とは、手の甲に力を込めると階級印が浮かび上がるというもので、鬼殺隊内での出世競争を盛り上げる演出かと思われましたが、藤花彫りの登場はこの1回きり。「炭治郎も知らないことを組織のルールや出世にもっとも無頓着そうな伊之助が知っているのはなぜ?」という疑問を残しただけでした。階級制度が物語の軸になることはなく、やがて「一般隊士」というざっくりとしたくくりに吸収され、静かに姿を消していったのです。

 続いて、「日輪刀の色」について振り返ります。日輪刀は、鬼殺隊に入隊を許された隊士への支給品で、隊士自らが選んだ鉱石を用いて作られたものです。使い手である隊士が手に取って抜刀したときに、刀は初めて色を帯びるとされ、「炭治郎の刀は何色に変わるのか?」と視聴者を大いに期待させました。ところが漆黒に染まった炭治郎の刀を見た育手の「鱗滝さん」と刀鍛冶の「鋼塚さん」には喜んでもらえず、後日、「出世できない剣士は黒い刃」という残念な情報まで聞かされます。

 そして炭治郎の場合は、「刀鍛冶の里編」以降、からくり人形「縁壱零式」の内部に隠されていた刀で戦うようになり、「自分の鋼で打った色変わりの刀」の意味はますますかすんでいったのです。物語の終盤には刀身が赤く変わる「赫刀(かくとう)」の重要度が増し、刀の色についてはメンバーカラーのようですらありました。

 最後に『鬼滅の刃』の物語の最大の謎「青い彼岸花」について振り返ります。鬼の始祖である「鬼舞辻無惨」は、1000年以上かけて探し求めていたにもかかわらず、「竈門禰豆子」が太陽を克服すると「禰豆子を手に入れられれば青い彼岸花はなくてもいい」と、関心は禰豆子にシフトしました。そして物語はそのままクライマックスへ突入。そして、青い彼岸の謎は思わぬところで回収されます。

 鬼がいない世界になった現代で、伊之助と「神崎アオイ」の子孫と思われる研究者が奇跡的に花を発見し、研究していたところ手違いですべて枯らしてしまったことが明かされるのです。青い彼岸花が「昼間のわずかな時間しか咲かない」ことが判明すると、「鬼が見つけられないの納得だけど…オチが雑すぎる」といった声がネット上であがるのも無理もないことかもしれません。

 フェードアウトした設定があるからといって作品の魅力を損なうわけではありません。むしろ、「あの設定、どうなった?」と気になり続けるものがあるのは、作品と長く付き合ってきた証です。あなたが気になっている「消えた設定」は何ですか?

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記

(山田晃子)

【ネタバレ注意】千年以上探してたのに… こちらは鬼舞辻無惨があっさり「用無し」扱いした“不憫な存在”です

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山田晃子

構成作家、ライター、脚本家。息子の影響で読み始めた『鬼滅の刃』でマンガ&アニメ沼に再没入。気付けば、執筆した『鬼滅の刃』の記事は100本以上に。最近、ハマっているのは『葬送のフリーレン』『青のミブロ』『怪獣自衛隊』など。宝塚歌劇団OGが主催する劇団「カジキタドリーム」でミュージカル脚本を執筆中。2025年公演は、新選組や光源氏が登場する和物オムニバス・ショーを予定。

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