『鬼滅の刃』同情できないクズ「童麿」なぜ人気? 奇妙で不穏なギャップが「ツンデレ」に通じる?
上映中の『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』でも、「同情できないクズ」と呼ばれるほどの「最低のクズ」ぶりを見せている上弦の弐の「童麿」。しかし不思議なことに、そんな彼のファンは少なくありません。なぜ童麿は人を惹きつけるのでしょう?
人の感情をあやつるサイコパスが見せる「違和感」

2025年7月18日(金)より『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が絶賛上映中です。ネット上には「泣きすぎて疲れた」「タオルでも足りない…」など、上弦の参の「猗窩座」への同情の声があふれている一方で、「やっぱりドクズ」「最低のクズ」などの言葉を浴びているのが上弦の弐の「童麿」です。
※この記事には『鬼滅の刃』アニメ化前の内容を含みます。原作未読の人はご注意ください。
しかし不思議なことに、ユーザー参加型のランキングサイト「みんなのランキング」にて、4万5000票以上から決定した「鬼滅の刃 十二鬼月人気キャラランキング(2025年7月16日時点)」の結果によると、童麿は第3位に入りました。「同情できないクズ」とまで言われるにもかかわらず、なぜ童麿は人を惹きつけるのでしょう?
童麿は人間である頃から「虹色の瞳」と「白橡(つるばみ)の頭髪」をしていました。中性的で美しい顔立ちをしている一方で、『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐』(集英社)のプロフィールによれば「身長180センチ、体重80キロ」と体型は大柄でがっちり系です。童麿にはこのようなギャップ多く、ひとつひとつが「違和感」として心に引っ掛かり、それがいつしか目を離せなくさせているのではないでしょうか?
例えば彼は、「神の声が聞こえる特別な子」として信者たちに崇められ、彼もすすんでその役割を演じていますが、本心では極楽浄土や神の存在をまったく信じず、信者たちを馬鹿にしています。そして人の命を奪い、喰らうことを「救済」と言いますが、喰われる女性の死に顔はけっして穏やかではありません。また、その喰らい方にも相手へのリスペクトはまったく感じられませんでした。
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』でも、「蟲柱」である「胡蝶しのぶ」が彼のいる部屋に入ってきたとき、彼は口の周りを血で汚しながらバラバラにした女性の肉を喰らっていました。しかも、ひどい音をたてて。そして姉を殺した敵である童麿に怒りをぶつけるしのぶに、血まみれの口で明るく、くったくなく語りかけ、優しい声で、しのぶの気持ちを逆なでする言葉を垂れ流すのです。
ちなみに『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐』(集英社)によれば、「趣味:酒風呂(酒が好きだったが鬼になり飲めなくなったので)」とあり、こんなところにも「違和感」が仕込まれています。女性に執着する童麿が「女性の血をたたえた風呂」に入ると言われるとピッタリきすぎて意外性はありませんが、美容や健康、リラックスがイメージされる「酒風呂」という言葉は穏やかで平和で、それが童麿と組み合わさることでかえって不穏を感じさせます。
サイコパスやシリアルキラーは、一見人当たりがよく、表面的には魅力的な人物であることが少なくないと言われます。童麿の場合も美貌や優しい笑顔、声の裏にある「狂気」が「違和感」を生んで人の心をざわつかせ、「不安」や「緊張」を引き起こして「不安定」にすることで人を惹きつけているのでしょう。
これは恋愛において、「ツンデレ」に代表されるような、「予想不能な展開」に相手への関心や興味、ドキドキが高まるのと似ています。「同情できないクズ」と言われながらもランキング上位に入ってくる童麿の魅力をぜひ、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』でご堪能ください。
出典:みんなのランキング(https://ranking.net/rankings/best-juunikizuki-characters)
(山田晃子)

