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『ガンダム』を彩るジオンの異形機 怪物MA「ザクレロ」と幻すぎるMS「ジュリック」

登場時間わずか6分、それでも忘れられない顔があります。一度も戦場に立てなかったのに、2023年になってゲームで動いた機体もありました。ジオン軍の異形メカのお話です。

数分で消えた怪物と、生まれることなく消えた怪物

ふたつのスケールのザクレロと、1/550のBパーツ換装ガンダムを同梱したキット。「1/250 1/550 ザクレロ」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ
ふたつのスケールのザクレロと、1/550のBパーツ換装ガンダムを同梱したキット。「1/250 1/550 ザクレロ」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

『機動戦士ガンダム』のジオン公国軍には、「ザク」や「グフ」といったスタイリッシュなモビルスーツ(MS)が並ぶ一方で、兵器としての合理性はともかく、見た目が強烈な個性を持った機体も存在します。

 モビルアーマー(MA)「ザクレロ」と水陸両用MS「ジュリック」は、そうした異形メカの両極端ともいえる存在でしょう。一方はガンダムファンなら誰でも知る有名機、もう一方は文字どおり幻の機体です。

 TVアニメ『機動戦士ガンダム』の第32話「強行突破作戦」に登場したMA「ザクレロ」は、ジオン機に多いモノアイとは異なる巨大な複眼、大きく開いた口のような部分に装備された拡散メガ粒子砲、両腕のヒート・ナタと、まるで怪物の顔面を兵器にしたかのような見た目でした。リアルロボット路線の『ガンダム』世界でも、際立って異質といえます。

 その出自も特殊で、もともと実用テスト前に放棄された機体でした。パイロットの「デミトリー」曹長が、前話で戦死した上官の仇討ちとして無断で持ち出し、出撃します。戦闘では「ガンタンク」を追い詰め、ガンダムに対してもヒート・ナタで肘部分にダメージを与えますが、最後はビームサーベルで撃破されました。この間、実時間でわずか6分です。

 さらに劇場版では出番ごとカットされ、まるで存在しなかったかのような扱いを受けました。それでもザクレロは、あの強烈な顔面でわずか数分のうちに視る者の記憶へ深く刻まれ、屈指のネタメカとして語り継がれています。

 一方の「ジュリック」は、知る人ぞ知る超マイナー機といえるでしょう。いわゆる「ジオン水泳部」の系譜における最後のMSとされ、ゴリラを彷彿とさせる厚い胸部に大ぶりな両腕と鋼鉄の爪「アイアン・ネイル」を備え、腹部には内蔵式メガ粒子砲を8基搭載するという重武装の機体です。雑誌企画「MSV-R」を初出とし、アニメ本編には一切登場していません。

 コンセプトは「ゴッグ」に近く後継機ともいわれますが、先に配備されたゴッグや「ズゴック」が想定以上の性能を見せたため、開発はいったん保留となります。後に完成した試作機は、水中での最高速度67ノットを記録するなど高性能ぶりを見せたものの、そのロールアウトは宇宙世紀0079年11月のことで、まもなくジオン軍の敗北により終戦を迎え、実戦に出ることはかないませんでした。

 そのジュリックが2023年、オンラインゲーム『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』への追加機体として実装されます。初めて動く姿がお披露目されると、その巨躯ぶりに「思ったよりもゴツくて驚いた」「ヘンテコでマニアックな機体がジオンって感じでいいね」といった驚きの声があがりました。

 また、同じくジオン水泳部のMS「アッガイ」開発の舞台裏を描くマンガ『アッガイ博士』(作:曽野由大/原案:矢立肇、富野由悠季/KADOKAWA)の第2巻では、量産機への制式採用をめぐって水陸両用MSの試作機たちが繰り広げるトーナメントバトルに、このジュリックが参戦しています。

(マグミクス編集部 ガンダム担当)

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マグミクス編集部 ガンダム担当

「ファーストこそ至高」という実父の薫陶を幼少期より受け育つ。夢は物欲のままに立体化された商品をポチること。宇宙世紀作品を中心に、90年代、00年代、最新作まで幅広くカバーします。

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