「死んだ」と思ったら生きていたキャラ3選 「身体を真っぷたつにされたのにナゼ?」
少年マンガの定番とも言える「死んだと思いきや生きている」展開。なかには、誰もが「これは絶対死んだ」と感じたほど、絶望的な状況からの復活劇もあります。生きているのが不思議な衝撃的な復活を遂げた、まさに不死身のキャラクターをご紹介します。
生きてるのが逆に不思議!

劇中で死んだと思ったキャラが「実は生きていた」という展開は、昔から少年マンガの定番と言えるかもしれません。とくに具体的な死の場面が描かれなかったり、行方不明的な扱いになったりすると「これは生きているかも?」とうっすら期待したものでした。
とはいえ、死んだと思われる描写があり、ストーリー展開的にも生存が絶望視された場合は、読者としても覚悟せざるを得ません。しかし、そこは少年マンガ。絶対に死んだであろう状況からまさかの生還を遂げ、別の意味で読者を驚かせたケースも存在します。
●全身マグマに沈みながらも奇跡の生還
最初に紹介するのは『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』に登場したヒュンケルです。彼は勇者アバンの弟子ながら、魔王軍・不死騎団の軍団長として登場しました。父を殺したのがアバンだと思い込み、ずっと師を恨んでいたヒュンケルは、同門の弟子にあたるダイと死闘を繰り広げます。しかし、その戦いのなかで父の死の真実が明らかになり、本当の仇はアバンではなかったことが発覚。そしてヒュンケルは、ダイに敗れました。
敗北を認め、決着のついたヒュンケルたちの前に現れたのは、魔王軍・氷炎魔団の軍団長フレイザード。彼の手によって死火山が活発化し、ダイたちは大量のマグマに飲み込まれようとしていました。
その時ヒュンケルは燃え盛るマグマに飛び込み、ダイたちが乗っている岩を抱えあげると、溶岩の及ばない安全な場所まで投げ飛ばします。一方、ヒュンケルの体はそのままマグマに飲み込まれていきました。
連載当時、ヒュンケルは完全に死んだと思った人も多かったのではないでしょうか。彼の体がマグマに没した場面ではマァムが慟哭し、不死騎団の部下も「冥土の案内人となりましょう」と彼の死を受け止めています。
それにヒュンケルは己の勘違いで師を恨み、その弟子たちを殺そうとした経緯があるので、物語的にもこれで退場しても違和感はありません。物語序盤にはアバンの死もあり、この時点では主要キャラの死を受け入れざるを得ない作品という認識もありました。このあたりは連載を追いかけた方と、完結後に一気読みした方では印象が異なるかもしれません。
そんなヒュンケルは、コミックスにしてわずか2巻後に再登場。マァムの危機に現れ、彼女を颯爽と救います。その時ヒュンケルが助かった経緯が語られますが、彼は死の寸前にクロコダインに助けられたとのこと。その救出シーンをダイたちは目撃していないので、彼がマグマに沈んでから、ある程度時間が経過していたはずです。それなのにたいした怪我もなかったあたり、さすがは不死騎団の元軍団長といったところでしょうか。
●町を破壊する大爆発からの生還
主要キャラの死を描いた感動シーンが忘れられない『ONE PIECE』にも、まさかの生存で読者を驚かせた場面がありました。とくに印象的だったのは「アラバスタ編」。クロコダイルが仕掛けた時限式の巨大爆弾を巡る攻防の最中でのことです。
町全体が吹き飛ぶほどの威力を誇る爆弾が爆発寸前。麦わらの一味には、もはや為すすべがありませんでした。そんな時、ビビの護衛であるペルは「トリトリの実」の能力で隼の姿になると、爆弾を持ったまま大空へと飛び立ちます。
そして遥か上空で、爆弾は大爆発。爆発の直前、ペルは満足そうな笑みを浮かべていたのが印象的でした。直径5キロにも及ぶ爆発の威力は凄まじく、爆風は地上にまで及びましたが、町に大きな被害はありませんでした。命をかけて国を守ったペルが、まさに「アラバスタの守護神」となった名シーンです。
献身的なペルの死に涙した読者も多いと思いますが、それは良い意味で裏切られることになります。コミックスの次巻、砂漠にある病院を退院する人物の姿が……。医者がその患者の忘れ物を手にした場面が描かれますが、その忘れ物とはペルのかぶっていた帽子でした。これで生存が確定したペルは、その後の扉絵などにも普通に登場しています。