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『ドラクエ』モンスターの裏設定に泣いた! 夢中で読んだ関連書籍の想い出

名作の裏にドラマあり!コミック「ドラゴンクエストへの道」

コミック「ドラゴンクエストへの道」書影
コミック「ドラゴンクエストへの道」書影

●名作の裏にドラマあり!コミック「ドラゴンクエストへの道」

 堀井雄二氏、中村光一氏、鳥山明氏、そして故・すぎやまこういち氏らがどのような経緯で集い、そして『ドラゴンクエスト』を生み出すに至ったかを描くドキュメンタリー風コミックです。

 ゲームスタート直後に主人公を王の間に閉じ込めることで、スムーズに「はなす」や「とびら」コマンドの用途を知ってもらうお手本のようなチュートリアルが生まれるまでや、「このままでは子供たちに楽しんでもらえるゲームにならない!」と当初の納期を踏み倒してまでバランス調整に苦心し続けるスタッフの姿など、今読んでも楽しめる作品です。

 ラストは少し時代が飛び、『ドラクエIV』を完成させた打ち上げを終えて帰途につくスタッフたちの姿が描かれます。「このシリーズはどこまで続くかな」、「スター・ウォーズのように続いたりしてね」と夜空を見上げながら軽口を叩き合う姿は、今あらためて見るととてもエモいです。いまや『ドラクエ』は、『スター・ウォーズ』のスカイウォーカー・サーガ9作品をしのぐ11作品がリリースされました。

●歴史に埋もれた伝説がここに!「知られざる伝説」シリーズ

 シリーズに登場するさまざまなキャラにスポットを当てたサイドストーリー集で、全4冊が発売されました。筆者が一番好きなのは『ドラクエIV』をフィーチャーした「ドラゴンクエストIV 知られざる伝説」です。

「天空」装備を身にまとってアネイルの町を守り続け、そして魔王軍との激戦に散った悲劇の青年リバストを描く「アネイル攻防戦」、戦士ライアンとどのような経緯で別れ、そして人間になれたのかを描く「ホイミンの夢」、魔王軍を偵察するスパイでありながらロザリーの優しさに心打たれ、集落の存在を記した報告書をそっと火にくべて定住を決める「ロザリーヒルの老人」など、心を揺さぶられるエピソードが目白押しでした。

 コミカル色の強いエピソードもありますが、ほんのりとした悲しみに彩られた話が多いのは『ドラクエIV』自体がそういう物語だったからかもしれませんね。

●読んだらゲームを再プレイ!小説シリーズ

 トリを飾るのは、1989年から刊行が始まった小説シリーズです。『VI』までのハードカバー版と文庫版はイラストレーターのいのまたむつみさんが表紙と挿絵を手がけており、耽美さすら感じられるキャラクターたちの姿はオリジナルデザインと異なる魅力を提供してくれました。

 ゲームのストーリーをベースにしつつ小説オリジナルキャラクターの登場や独自の展開なども随所に見られました。「小説ドラゴンクエストII」を例に挙げると、「ルプガナの町でモンスターに襲われている少女」に名前や設定が与えられてサマルトリアの王子コナンといい感じの仲になったり、稲妻の剣に宿る力を使ってロトの剣に往年の輝きを取り戻させるシーンなどがありました。全部読み終えたら、小説の主人公と同じ名前にしてゲームを最初からプレイし直すのが筆者の通例でした。

 初代『ドラクエ』が発売されたファミコン以来の家庭用ゲーム機の発展は日進月歩。やがてゲームのみでボリュームのある物語を楽しめるようになり、こうした書籍は少しずつ役目を終えていきました。とはいえ、当時の「関連書籍を読みふける」行為も、これはこれで楽しかったなと思います。

※本文を一部修正しました(2022年9月12日19時10分)

(蚩尤)

【画像】スライムの裏設定がおもしろい! 「ドラクエ」関連書籍たち(6枚)

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