誕生から50年の『ガッチャマン』 コンドルのジョーが「アニソンの大王」になったワケ
『ガッチャマン』が生んだ功績とその続編たち

本作がその後のアニメ作品に与えた影響は他にもありますが、その中でもささきいさおさんがアニソン歌手としてデビューするきっかけになった点は大きいものがあると思います。
本名でもある佐々木功名義で、「和製プレスリー」と言われて歌手デビューしたささきさん。その後は役者としても活動し、その声を見込まれて声優として本作のオーディションを受けたそうです。そしてコンドルのジョー役となりました。一応、その前に洋画アニメのアフレコをしているのでデビュー作ではありません。
このジョー役がきっかけで、同じくタツノコプロ製作で当初は本作の後番組に予定されていた『新造人間キャシャーン』(1973年)で主題歌を歌うことになりました。これがささきさんのアニソンデビュー曲となります。この時、ジョーが歌っているというイメージがあるからと、歌手の名義をひらがなにしました。以降、ふたつの名前を使い分けていたそうですが、現在はひらがなで統一しているそうです。
ちなみにささきさんの妻にあたる声優の上田みゆきさんとは、続編の『II』で共演したことがきっかけで結婚したとのこと。本作がささきさんの運命を大きく変えた作品となりました。
本作は全105話、2年にわたって放送されましたが、20%近い平均視聴率の人気番組だったことから、1年の予定だったのが延長されたそうです。ちなみに1年の予定ですと、健と父であるレッドインパルスの別れがそこにあたり、あの感動的な最期は本来の予定されていた最終回だったと考えられるでしょう。
放送中からの人気番組だったことで、前述したように4年後に続編である『II』、続いて『科学忍者隊ガッチャマンF(ファイター)』(1979年)が制作されています。さらに、この他にも多くのリメイクとなる作品も製作されました。
1994年にはタツノコプロ創立30周年記念作品の一環として『GATCHAMAN』のタイトルでOVA作品が作られています。キャラもメカもデザインを一新され、(当時の)現代風エピソードが3本製作されています。
設定をリブートして製作されたのが、2013年に製作された『ガッチャマン クラウズ』と、第2期にあたる『ガッチャマン クラウズ インサイト』(2015年)でした。内容的には完全な別作品ですが、健の声優だった森功至さんがレギュラー出演しています。
この時期に短編FLASHアニメとして情報番組『ZIP!』のコーナーで放送されていたのが、コメディ作品である『おはよう忍者隊ガッチャマン』(2011~2013年)でした。上記の2作は2013年に公開された劇場版実写映画『ガッチャマン』と同時に、「ガッチャマン復活」として企画されたものです。
劇場版『ガッチャマン』では松坂桃李さんをはじめとして当時の有名役者が集合していますが、この作品が初めての実写版かと言うとそうではありません。2000年にNTT東日本のTVCMで、SMAPの5人が科学忍者隊に扮した姿を最初だと言う人もいるからです。
他にも1994年に製作されたOVA『タイムボカン王道復古 / ヤッターマン タツノッコン王国で同窓会だコロン』では他のタツノコキャラと共演、TVアニメ『Infini-T Force』(2017年)では健が中心的レギュラーとして登場、その劇場版『劇場版Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ』ではジョーと南部博士が登場しました。
このように、タツノコヒーローの代表として、さまざまな時代で活躍したガッチャマン。今でも熱烈なファンの多い名作です。またいつの日にか、新たな姿をしたガッチャマンが我々の前に現れるかもしれません。
(加々美利治)




