『鬼滅の刃』うかつな無惨、5つの失策 慎重な性格なら1話で「完結」していた可能性
自分の力を過信しすぎたせいで起こる無惨の「失策」

●その3・一瞬の動きで正体がバレた!? 「うかつ」なところが残念!
浅草で炭治郎に正体を見破られ詰め寄られた際、無惨は鬼化した男性が起こした騒ぎに紛れて、家族とともに炭治郎から離れました。しかし、炭治郎はしっかり見ていたのです。無惨がその手で男性の首に傷をつけるところを。
それまで無惨については鬼殺隊の柱ですら遭遇したことがなく、すべてが謎でしたが、この時のことで、無惨の姿ばかりか家族を持って人間に紛れていることまでが知られてしまったのです。これはもう、うかつとしか言いようがありません。無惨は姿かたちを自由に変えられるのですから、たとえば足元で触手をのばして、人の身体を傷つけて鬼化させることだって可能だったはずです。にもかかわらず、見えやすいところを攻撃したのは、よほど手技の早さに自信があったのかもしれませんが、さすがに、うかつ過ぎるのではないでしょうか。しかもこの浅草の男性が後にキーマンとなるとは……。
●その4・人(鬼)選で大失敗! 「中途半端」なところが残念!
浅草での遭遇の後、炭治郎に朱紗丸(すさまる)と矢琶羽(やはば)という刺客を向けた無惨。しかし無惨を憎む鬼の珠世と彼女が鬼にした愈史郎、そして戦闘力を増した禰豆子と炭治郎は、この鬼ふたりを返り討ちにします。
「獅子は兎を捕らえるにも全力を尽くす」という言葉の通り、無惨が自分で出向くか上弦の鬼のなかでも上位の者を向かわせていれば、この時の炭治郎や禰豆子なら、ひとたまりもなかったでしょう。それを中途半端なレベルの鬼にまかせたために、禰豆子は強く進化し、炭治郎は技の使い方を学び、鬼殺隊には無惨の情報がもたらされたのです。そして珠世には彼らの血液サンプルをみすみす与えることになり、それは鬼を人に戻す薬をつくる研究に使われてしまいます。炭治郎を甘く見たこと、朱紗丸と矢琶羽を通じて珠世の存在を知ったであろうにもかかわらず、すぐ援軍を送らなかったことなど、無惨の中途半端さが際立ちました。
●その5・1000年以上生きているのに「未成熟な精神」が残念!
下弦の伍・累(るい)が鬼殺隊に倒された後、無惨は残った下弦の鬼たち5人を集めて、「下弦の鬼は解体する」と、言いがかりをつけて4人を自らの手で葬ってしまいました。これがファンの間で有名な無惨の「パワハラ会議」です。葬られた4人の鬼がどんな能力を持っていたのかは不明ですが、それでもトップ自らが自陣営の戦力を削ってしまうのは愚策としか言いようがありません。自分なら下弦程度の力を持つ鬼は、またすぐに生み出すことができるという「おごり」、かんしゃくをぶつける「幼児性」、後先考えない「計画性のなさ」など、1000年以上生きているとは思えない「未成熟な精神」が浮き彫りになりました。
無惨の失策は、彼の性格ゆえに起こっているものばかり。そして、これから始まる「刀鍛冶の里編」では、無惨の最初にして最大の「失策」が明らかになります!
※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記
(山田晃子)