ゲームブックは死なず! ソシャゲ氾濫の今、マニアが語るその「本質」とは
日本での火付け役は『火吹山の魔法使い』
諸説ありますが、世界最初のゲームブックは、1930(昭和5)年にドリス・ウェブスターとメアリー・オールデン・ホーキンスというふたりの女性によって作られた『Consider The Consequences!(結果を考えよう)』といわれています。
その後1970年代に、アメリカで『Choose Your Own Adventure』がバンタムブックス(当時)からリリース、シリーズ化され、今もChooseco社(バーモント州)から新作が発売されています。日本では『きみならどうする』というタイトルで、学習研究社(現・学研ホールディングス)から発売されていました。
日本でのブームは1984(昭和59)年に社会思想社(2002年事業停止)の現代教養文庫より刊行された『火吹山の魔法使い』(スティーブ・ジャクソン作)からです。原作は1982(昭和57)年にイギリスで発売された『The Warlock of Firetop Mountain(ザ・ウォーロック・オブ・ファイアートップ・マウンテン)』で、その後のシリーズを含めて累計300万部を記録し、一大ブームになりました。

「当時はパソコンをまだマイコンと呼んでいた時代。RPGの面白さがTRPG(テーブルトークRPG。サイコロなどを使った対話型の卓上ゲーム)やマイコンで人気になり始めた時代でもあります。高価なコンピュータを使わずに、ひとりで気軽にRPGを楽しめて、価格は480円と非常に安価であったことから、中高生を中心にのめり込む人が続出しました。

1983年にはファミリーコンピュータが発売されとても人気となる一方、そのソフトは中高生にとってまだ高価でした。しかし、ソフトのタイトルがゲームブック化されたことで相乗効果で人気が出たのです。シューティングゲームの『グラディウス』や、アクションRPGの「ドルアーガの塔」三部作は大変高く評価されました。特に『ドルアーガの塔』は国内作品の最高峰と呼ばれ、幻想迷宮書店から近年、電子書籍で復刻されているほどです」(代々木さん)
幻想迷宮書店編集部も「価格も紙媒体の半分以下なので、気軽に手に取れる。タップなどの電子書籍ならではの機能も作品の魅力を後押ししている」と話します。
「コンシューマーゲーム機に負けた」
しかしバブル崩壊を機にその人気は終わりを迎えることに。またゲームマシンの高級化やコンテンツの高品質化が進んだことも状況を後押ししました。
「ゲームブックはコンシューマーゲーム機(個人が直接購入することを前提に作られたゲーム機)に表現力で圧倒的な差をつけられました。遊ぶ側もサイコロを振ったり、指示通りページをめくったりという手間を強いられるため、人気が徐々になくなっていったのです」(代々木さん)
またパソコンが身近になったことも間接的な原因となり、同時期のノベルゲーム(コンピューターの画面上で読む小説型ゲーム)に取って代わられたという説もあるようです。







