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ゲームブックは死なず! ソシャゲ氾濫の今、マニアが語るその「本質」とは

紙のゲームブック「自由度が高い」「手軽」

 そのような波を受け、同店の売上も拡大しつつありますが、ゲームブックの人気が高まる一方、絶版していた作品、特に東京創元社の日本人作家の作品は電子書籍で復刻するケースが多くなったこともあり、プレミア感は薄れて実本の売上げは下がっているそう。しかし、復刻されない海外作家の作品、特に社会思想社の作品はプレミアがついて販売価格、売上げともに上昇傾向にあるといいます。

海外作家の作品はプレミア価格に(画像:マグミクス編集部)
海外作家の作品はプレミア価格に(画像:マグミクス編集部)

 代々木さん同様、トレーダーズギルドにもゲームブックの魅力を聞いてみました。

「選択によって結末が変わってくる小説だということが大きな魅力です。また、紙のゲームブックはデジタル版より手軽というのもメリットです。近年ではあらゆる書籍がデジタル化していますが、『ページを飛び飛びに読まねばならない』ゲームブックについては、電子書籍版はページを都度指定する必要があり、紙の本でページをめくるよりも手間がかかりますし、ページの後戻りができないため、自由度もありません。その点、紙のゲームブックはページを飛ばしやすく、極端なことを言えば、『選択を誤ったらすぐに元のページに後戻りしてやり直す』のが簡単にできるのが、逆に自由度の高さ、手軽さになっているのではないと考えています」

 1980年代のブームは落ち着き、さまざまなプラットフォームに順応しながら今なお生き続けるゲームブック。平成最後の年末年始に再び手に取ってみるのも面白いかもしれません。

(マグミクス編集部)

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