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参加者1万人突破間近! 歌舞伎町『龍が如く』体験型イベントは街を変える?

かつての「悪い」イメージがコラボを生んだ

 2018年7月開始の『100億の少女誘拐事件』。そのアイデアが出たのは意外にもコラボの元となったイベント『歌舞伎町探偵セブン』と同時期だったといいます。

「(2017年12月にオープンした)東京ミステリーサーカスが現在のビル(APMビル)を入る前、社内でアイデアを話し合っていたときに、社員のひとりが『街をテーマパークにして、ビルの外へ出るゲームを作ろう』と思いついたのが『歌舞伎町探偵セブン』(2017年12月末スタート)誕生のきっかけとなりました。その時点で『歌舞伎町でリアル『龍が如く』みたいなこともしたい』という意見が出ていました」(SCRAP)

東京ミステリーサーカスの外観(画像:新宿プリンスホテル)
東京ミステリーサーカスの外観(画像:新宿プリンスホテル)

 具体的なアイデアは『歌舞伎町探偵セブン』スタート後のこと。その当初から少女が誘拐される事件という『100億の少女誘拐事件』のアイデアが挙がっていたといいます。

「『龍が如く』の桐生一馬がなぜイベントで捜査に加わるのかという『動機』を考えたときに、これまでの『龍が如く』のイメージが浮かびました。『100億の少女誘拐事件』は(桐生一馬が育った養護施設にいた少女の)澤村遥が出演していませんが、遥が誘拐されたら、いつものように桐生が飛んでくるだろうという感覚で出したアイデアでした(笑)」

 SCRAPにとって、かつての歌舞伎町の危険なイメージはむしろ効果的で、「新しいドラマが生まれないわけがなく、格好の舞台でした」と振り返ります。

コラボの元となったイベント『歌舞伎町探偵セブン』(画像:セガゲームス)
コラボの元となったイベント『歌舞伎町探偵セブン』(画像:セガゲームス)

 その後、ストーリーの大まかな流れは1か月ほどで決まったといいます。しかし現在の内容とは異なり、「かなりSFな内容」だったとのこと。

「制作にあたって、『龍が如く』シリーズの制作者たちにご協力いただきました。初めてストーリー案を持ち込んだときのことが印象に残っています。実は当初のストーリーがかなりSFな内容だったので、『龍が如く』シリーズのプロデューサーから改めて『龍が如く』の世界観を熱く語っていただきました。その結果、これでは『龍が如く』の魅力を十分に出しきれないと感じ、ストーリーの設定内容をすぐに修正しました」(SCRAP)

『龍が如く』の世界観を体験型ゲームイベントに落とし込むとき、まずゲーム内に登場する「ヒートアクション」(「ヒートゲージ」と呼ばれる主人公の熱量を示すゲージを溜めると披露できる技)の再現を思い立ったとのこと。イベント内では当然、ヤクザ役のスタッフを用意して実際に殴ることはできません。しかし自らの手で彼らを倒すシーンは絶対に外せないとSCRAPは感じており、結果として実際に体を動かすアクションを設けることができたといいます。

2016年12月8日発売『龍が如く6 命の詩。』のヒートアクション ©SEGA(画像:セガゲームス)
2016年12月8日発売『龍が如く6 命の詩。』のヒートアクション ©SEGA(画像:セガゲームス)

 イベント内では桐生一馬と協力して繰り出す大技も登場しますが、周囲の社員にやり方をうまく伝えられずに苦労したそうです。

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