『キン肉マン』アニメ化から40年 原作者自ら要望した「改変」で大ヒットに?
冷めぬファンの熱意 「奇跡」が三度起こる

アニメ作品のヒットは視聴率の高さだけで決まるものではありません。関連商品の売れ行きが大きく左右します。『キン肉マン』の場合、原作マンガの部数アップはもちろんでしたが、それ以上に社会現象を生んだ商品をヒットさせることに成功しました。それが「キンケシ」と呼ばれる商品です。
キンケシとは「キン肉マン消しゴム」の略称ですが、正式には消しゴムではありません。ガシャポンなどのカプセル式自動販売機で排出される商品を、スーパーカーやウルトラマンのころから材質が似ていることもあって、「消しゴム」と呼んでいただけです。
このキンケシブームが『キン肉マン』を大ヒットへと導いた商品でした。その熱狂ぶりは当時を知る人ならおぼえていることでしょう。『キン肉マン』のキーアイテムと言えばキンケシ……という方程式は現在に至るまで受け継がれており、現在連載中の新シリーズのキャラまで立体化しています。
他にもスポンサーではなかったのですが、この頃から「牛丼」がポピュラーな食べ物と認識されたのも『キン肉マン』の影響が強かったと言われていました。アニメオリジナルで生まれた「牛丼音頭」は、劇中で頻繁に使われていたこともあって主題歌と同じくらい耳に残った曲だと思います。
もちろん串田アキラさんによる主題歌もギャグと熱さが混在した名曲でした。しかし、筆者がそれ以上に注目するのが超人たちに個々のテーマソングがあったことです。超人ごとに間奏にセリフが入ったこの挿入歌はとても人気が高く、いわゆるキャラクターソングの先駆けのひとつといえるでしょう。
こうして3年半14クール全137話まで『キン肉マン』のTVアニメは続きました。しかし、週刊マンガ連載作品のTVアニメ化としては最大の弱点である、「原作の展開に追いつく」という事態から惜しまれつつも放送終了となります。
当時まだ連載でストーリーが進行中だった「キン肉星王位争奪編」は、結果的にTVアニメとして放送されることなくアニメ版『キン肉マン』は幕を下ろすことになりました。しかし、5年後の1991年10月6日に『キン肉マン キン肉星王位争奪編』として奇跡の復活を果たすこととなります。
人気があったとはいえ、原作の最終回までをあらためてTVアニメとして数年後に再開することは当時まだあまり例がなく、製作側の『キン肉マン』への期待、ファンの熱意が叶った得意な例といえるでしょう。
しかし、この奇跡はどうやら一度だけではないようです。
2011年から異例の新章である「完璧超人始祖編」が連載開始した『キン肉マン』。かつてのファンをふたたび熱い気持ちにさせた本作が、本年2023年3月17日に「新アニメ始動」というニュースが飛び込んできました。多くのファンが歓喜の声をあげ、新作アニメの公開を心待ちにしています。
この「3度目の奇跡」に、筆者はキン肉マンの通り名のひとつである「奇跡の逆転ファイター」という言葉を思い出さずにはいられません。
(加々美利治)



