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『初代ドラクエ』なぜ主人公はカニ歩き? 低容量ゆえの「驚きの工夫」

初代『ドラクエ』で深くなると低くなるものなーんだ?

「ドラクエ」シリーズの名言とともに、裏話も収録された1冊。画像は「ドラゴンクエスト30thアニバーサリー ドラゴンクエスト名言集 しんでしまうとは なにごとだ!」原著 堀井雄二(スクウェア・エニックス)
「ドラクエ」シリーズの名言とともに、裏話も収録された1冊。画像は「ドラゴンクエスト30thアニバーサリー ドラゴンクエスト名言集 しんでしまうとは なにごとだ!」原著 堀井雄二(スクウェア・エニックス)

 BGMにも面白い工夫がなされていました。今のように、歌を入れるようなことは当然あり得ませんし、曲の数も少なければ、音数も少ないシンプルなものでした。というのも、ファミコンが同時に鳴らせる音は基本的に4つしかありません。しかもそのうちひとつは音階を持たないノイズです。

 それでも初代『ドラゴンクエスト』は現代にまで残るような数々の名曲を残しています。そのなかでも変わった仕掛けがあるのがダンジョンの音楽です。階が下がるにつれてテンポが遅くなり、音も低くなっていくのです。

 シンプルな曲の繰り返しではあるのですが、ゆっくりと低い音になっていくことで、ダンジョンの不気味さや恐怖さが醸し出されていました。この工夫は、あえて今のゲームでやっても、面白いかもしれません。

●使えないカタカナがある

 容量やメモリが少なかった影響は、文字にまで及んでいました。なんと初代『ドラゴンクエスト』ではカタカナに限って、50音すべてが使われていませんでした。

『ドラゴンクエスト30thアニバーサリー ドラゴンクエスト名言集 しんでしまうとは なにごとだ!』(‎スクウェア・エニックス)によると、使えたのは「イ、カ、キ、コ、シ、ス、タ、ト、ヘ、ホ、マ、ミ、ム、メ、ラ、リ、ル、レ、ロ、ン」の20文字だったそうです。半分にも足りません。

 しかし初代『ドラゴンクエスト』の呪文を思い浮かべると、ホイミ、ラリホー、ギラ、ルーラ、リレミト、ベギラマ、どれも見事にこの中に収まっています。

 ちなみに、初代『ドラゴンクエスト』の舞台と言えばアレフガルドですが、上記を見てわかる通り、「ア」や「フ」が使えないので、ゲーム中この名前が表記されることはないようです。

 ファミコン時代ならではの、初代『ドラゴンクエスト』の工夫を紹介しました。文字の制限などは今ではとても考えられません。しかし、その制約の中で生まれた呪文などが、その後何十年と親しまれ、愛され、残っていくことになります。

(田下広夢)

【画像】20文字のカタカナに全部おさまってる? 『初代ドラクエ』のモンスターたち(5枚)

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