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いまや「ギャル」は王道ヒロインに? ラブコメ漫画で輝く彼女たちの魅力

同調圧力に苦しむ主人公たちを「ギャル」が救う

『その着せ替え人形は恋をする』 第1巻(スクウェア・エニックス )
『その着せ替え人形は恋をする』 第1巻(スクウェア・エニックス )

 実のところ、この構図自体は目新しいものではありません。「陰キャとギャル」というと物珍しいですが、「冴えない男の子がクラスの人気者、マドンナと」と言い換えれば、古典的ともいえる王道パターンなのがわかると思います。

 そして、この文脈は現在のギャル像と非常にうまくマッチしています。ギャルがなぜ越境者(という記号)になり得ているかというと、彼女らには強い芯があるというイメージがあるためです。同調圧力に屈しない、自分自身の価値観を持っているというイメージです。

 だからこそ、たとえばオタク的な趣味に対する同調圧力と無関係に、好きなものは好きと言えるし、漠然と存在するスクールカーストとも無縁に好きな人を選べる。

『その着せ替え人形は恋をする』では、こうした特徴が鮮烈です。主人公の男子高生・五条新菜(わかな)は、雛人形職人の祖父を持ち、自分自身も雛人形が大好き。ですが、小さいころに「男のくせに人形が好きなんて」と言われ傷ついた過去を持っており、今も人形好きを隠しています。

 一方、喜多川さんは人気者グループの人間ですが、アニメ好きを隠しておらず、アニメのことは分からない子とも仲良くしています。五条くんの人形好き、職人修行を知ったときも「すごい!」と褒めます。

 偏見なく自分の価値観を大事にするキャラクターとしてのギャルは、ヒロインであると同時に、コンプレックスやカースト意識から主人公を解放してくれるヒーロー的な存在でもあるのです。この文脈の発見こそ、ギャルを単なる“ギャップ萌え”以上のメインヒロインに押し上げた重要なポイントだったといえるでしょう。

 ブーム状態ともいえるギャル系ヒロインですが、こうして見ていくとキワモノ的なものではなく、時代にフィットする王道性を持っているのがわかるのではないでしょうか。かつてのイメージから手を出していなかったという人も、この機会にギャル系ラブコメ作品を読んでみてはいかがでしょう?

(小林聖)

【画像】「キモい」のか「好き」なのか? ギャルのヒロインと主人公の会話シーン(10枚)

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