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上弦の鬼は病がモチーフ? 『鬼滅の刃』で話題の考察 禰豆子にも重要な意味が?

『鬼滅の刃』は病と医療の進化が描かれている?

鬼舞辻無惨が描かれた「浅草編」キービジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
鬼舞辻無惨が描かれた「浅草編」キービジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 そして上弦の弐・童磨は、血鬼術で「氷」を操っており、その能力は氷の結晶を吸い込むと灰を壊死させてしまう強力なものです。このような能力を操る童磨は、新選組の沖田総司や俳人の正岡子規など、数々の歴史上の人物も倒れたという、「結核」がモチーフではないかと言われています。化学療法が可能になるまでは不治の病とされていました。

 また、十二鬼月最強の鬼、上弦の壱・黒死牟(こくしぼう)のモチーフは、名前も似ている「黒死病(ペスト)」と言われています。歴史上、何度も世界的な流行を引き起こし、14世紀にはヨーロッパで5000万人もの人びとを死亡させたとも言われる病です。

 この病気の特徴は敗血症によって皮下に現れる黒い出血斑で、全体的に黒の多い黒死牟の見た目や顔の痣とも重なります。疫病としての殺傷力の強さも、上弦最強の黒死牟の実力に合致するのではないでしょうか。

 ちなみに、全ての鬼の祖・鬼舞辻無惨のモチーフと考察されているのは、「ガン細胞」です。人間から初めて鬼になって仲間を増やす無惨は、普通の細胞から変異し、その後増殖するガン細胞と重なる部分があります。

 また、ガンは手術してもわずかなガン細胞の取りこぼしでも、健康な細胞に転移するリスクがあります。このしぶとさも、作中の無惨の生き残る執念と繋がると考察されているようです。

 そして、無惨によって鬼にされ、「刀鍛冶の里編」の最後に半天狗との戦闘を経て、鬼でありながら太陽を克服した禰豆子は、「ワクチン」を暗示している存在と考察されています。詳しい記述は避けますが、彼女は「鬼になる」という「病」を初めて克服した存在となり、そして自分が持つ「抗体」によって、他のキャラも助けることとなりました。

 これらの考察から、「『鬼滅の刃』の「鬼と人間の戦いの物語」は、「人間と病気の戦いの歴史」のメタファーではないかとも言われているようです。日本では古来より「鬼と疫病」を同一視する考え方もあり、節分の豆まきは鬼(疫病)をはらい健康を願う「追儺」という儀式が由来という説もあります。

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記

※誤字を修正しました(7月19日10時49分)

(LUIS FIELD)

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