年齢差を演技力で克服? 多感な「中学生」見事に演じた実写化俳優たち
実写化作品の学生役は、キャラクターと俳優の年齢差が生じることが多いものの、なかには高い演技力で違和感なく演じた俳優もいました。20代で学生役を演じ、「ハマり役」と称賛された俳優を振り返ります。
原作者も「リアル中学生」と勘違い?

マンガが原作の実写化作品では、キャスティングの都合上、キャラクターと俳優の年齢差が生じてしまうことも少なくありません。その差が大きいと違和感を覚えたとしてもおかしくありませんが、なかには学生役で年齢差を覆す演技力を見せて、「ハマり役」といわれた俳優もいました。
2021年に公開された『うみべの女の子』(作:浅野いにお)は、肉体関係を結んだ中学生「佐藤小梅」と「磯辺恵介」を中心に、思春期の繊細で残酷な「恋」と「性」を描いた作品です。
本作は性描写を含んでいるため同じ年齢の中学生を配役することはできず、小梅役に撮影当時22歳の石川瑠華さん、磯辺役に19歳の青木柚さんがオーディションで選ばれました。ふたりはビジュアルだけでなく、ヒリヒリと焼け付くような思春期特有の感情の振れ幅や危うさを自然に再現しており、観客からも「普通の中学生に見える」「実年齢を知って口が縦に空いてしまった」と評価されています。
なお、「MOVIE WALKER PRESS」のインタビューで浅野先生は、オーディションに立ち会った際に「(学生服を着た石川さんを見て)中学生がこんなビルになんの用だろう?と思っていたんですが、あとで石川さんだとわかりました(笑)。 本当に中学生に見えたんです」と驚いたことを語っていました。
また、東京から田舎に引っ越してきた15歳の人気モデル「望月夏芽」が、「コウ」と呼ばれる自由で傍若無人な少年「長谷川航一朗」に惹かれていく『溺れるナイフ』(作:ジョージ朝倉)も挙げられます。本作は2016年に公開され、夏芽役に小松菜奈さん、コウ役に菅田将暉さん、夏芽に思いを寄せるクラスメイト「大友勝利」役に重岡大毅さん、コウに片思いをするクラスメイト「松永カナ」役に上白石萌音さんと、今となっては豪華なキャストで制作されました。
原作は小学生時代から30代までを描いた長い物語ですが、映画版は中学3年生から高校生までの期間を描いており、中学時代も高校時代も同じ俳優が演じています。そのため、役との年齢差も大きく、特に重岡さんは撮影当時23歳で中学生役に挑んでいます。それでも、髪型や眉毛などから漂う野暮ったさは中学生そのものでした。
「ORICON NEWS」のインタビューによると、重岡さんは中学生役を演じることに対し不安はあったものの「眉毛を太くしたら、そんな不安は消えてたわ(笑)。ガキっぽいTシャツを着て、首にタオル巻いて、短パン穿いたら気分は中学生やった」と、すぐに馴染めたことを明かしています。

ほかに、2019年に公開された『惡の華』(作:押見修造)では、撮影当時21歳だった伊藤健太郎さんと玉城ティナさんが学生役を演じています。本作は、中学2年生の「春日高男」が憧れのクラスメイトの体操着を盗んだところをクラスの問題児「仲村佐和」に目撃されたことで契約を迫られ、彼女の要求に応えるうちにアイデンティティが崩壊していくという物語です。
本作も、中学時代のパートと高校時代のパートがあり、どちらとも春日役を伊藤さん、仲村役を玉城さんが演じています。高校生役はともかく中学生役は年齢差がありますが、ふたりとも情緒不安定になりがちな時期である中学生役を見事に演じ、特に玉城さんは強い目力と雰囲気で仲村の狂気を再現しており、観た人から絶賛されました。
なお、先日最終回を迎えたドラマ版では春日役を鈴木福さんが、仲村役をあのさんが演じています。鈴木さんも放送開始時21歳でしたが、どこか頼りないたたずまいは、鬱屈(うっくつ)とした中学生らしさがあり、視線や表情で語る演技を見せたあのさんと一緒に「ハマり役」といわれました。
(LUIS FIELD)

