2023年のアニメ界重大(10大)トピックス 「初回拡大放送」「リバイバル上映」が増加!
『【推しの子】』『葬送のフリーレン』『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』などのヒット作が生まれた2023年、そんな1年を10個のニュース&トピックで振り返ります。
大ヒット作誕生、コロナ明け、いろいろあった2023年

2023年も、残るところあとわずかです。今年もたくさんのアニメが生まれ、アニメファンを楽しませてくれました。今回は今年のアニメ界を象徴するようなニュースやトピックを、10個に分けて振り返ります。
●『【推しの子】』旋風吹き荒れる
同名のマンガを原作とし、4月に放送されたアニメ『【推しの子】』は2023年を代表するほどのヒット作になりました。YOASOBIによるOPテーマ「アイドル」はビルボードの国内チャートで21週連続1位を獲得し、YouTubeの世界楽曲チャートでも1位に輝くという快挙を成し遂げます。また「推しの子/アイドル」という言葉が、「ユーキャン新語・流行語大賞2023」にもノミネートされました。
●初回拡大放送がメジャーに
以前からTVアニメの初回を数話まとめて放送するという試みは行われていましたが、2023年はさらにその数が増えました。前述の『【推しの子】』(90分枠で1話を放送)の人気が爆発的なものとなったのも、この影響が大きいでしょう。
ほかに、秋クールだけでも「金曜ロードショー」で4話分まとめて届けられた『葬送のフリーレン』を始め、『薬屋のひとりごと』『ラグナクリムゾン』などが30分枠に収まらない初回放送を行いました。
●TV各局でアニメ枠が新設
『葬送のフリーレン』のレギュラー放送が行われている日本テレビの「FRIDAY ANIME NIGHT」は、同社にとって31年ぶりの新設アニメ枠です。さらにTBSが日曜16時30分から『七つの大罪 黙示録の四騎士』を放送するなど、今年の秋は新たなアニメ枠が増加しました。人気が加熱するアニメに対する、TV局の期待がうかがえます。
●懐かしい作品のリメイクや続編が続々
2023年は、近年目立っていた、昭和・平成のヒット作のリメイクや続編がさらに増加しています。2022年末に公開された映画『THE FIRST SLAM DUNK』は今年も引き続きヒットし、『うる星やつら』も3月まで放送されました。
さらに『TRIGUN STAMPEDE』や、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』『ビックリメン』『悪魔くん』など類するものは多数あります。2024年以降にも『北斗の拳』や『キン肉マン』『ライジングインパクト』など、多数の懐かし作品のアニメ化も予定されています。
●恋愛&ラブコメアニメが人気に
今年は1年を通じて、恋愛アニメやラブコメアニメが充実していました。前者は『わたしの幸せな結婚』『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』など、後者は『からかい上手の高木さん』を先駆けとするいわゆる「◯◯さん系」や週刊少年マガジン系の少しセクシーな作品など枚挙にいとまがりません。これらの作品に胸をときめかせた人も多いのではないでしょうか。
●先行上映やリバイバル上映が増える
映画館に目を向けると、2023年は相変わらずアニメ作品の本数が多いものの、オリジナルの新作はやや少なめでした。その分、TVアニメの先行上映や過去作のリバイバル上映が増えています。
『【推しの子】』も、1話が映画として先行上映された作品のひとつです。また総集編とTVアニメの先行公開となる新作を交えた『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』は興行収入が40億円を突破するヒットとなりました。
●『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が大ヒット
興行収入という点で今年の最大のヒット作は、任天堂とイルミネーションによる『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』でした。4月に公開された同作は国内だけで140億円を突破し、洋画アニメ作品では歴代2位、邦画も含めたアニメ作品でも歴代12位の興行成績を達成しました。なお任天堂は、同じくゲーム作品『ゼルダの伝説』の実写映画化も発表しています。
●スタジオジブリが日本テレビの子会社に
宮崎駿監督による10年ぶりの長編映画『君たちはどう生きるか』が7月に公開されたのち、同作を制作したスタジオジブリは、10月に日本テレビの子会社となることを発表しました。1985年の『風の谷のナウシカ』放送以降、両社の関係は深いものでしたが、今後はさらに深まりそうです。
●『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』口コミによりヒット
『KING OF PRISM by PrettyRhythm』や『この世界の片隅に』『アイの歌声を聴かせて』など、SNSでの口コミによって徐々に人気が拡大し、アニメ映画のヒット作が生まれる現象はたびたび見られます。2023年は、11月に公開された『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』がそれにあたり、初週から興行収入が右肩上がり中です。12月中旬現在も「入村」する人が後を絶ちません。
●熱気が戻るリアルイベント
2020年以降、新型コロナウイルス感染症の影響でさまざまなイベントで自粛や制限が行われてきました。しかし2023年に入って制限が撤廃され、アニメ界でも「AnimeJapan」や「Animelo Summer Live」を始めとする各種イベントが、かつてと同じような熱気を取り戻しています。
(はるのおと)