『シン・エヴァ』地上波初放送でやむなく削られるシーンは? 「ある部分」が意外にも悩ましい
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』がついに地上波初放送されますが、発表された「TV版」という表記にファンの間では「どこか削られるの?」の声もあがっています。放送枠から逆算して、泣く泣くカットされそうな3つのシーンを大胆予想します。
冒頭の「パリ作戦」は手に汗握る迫力シーンだが…?

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は、2021年に新劇場版シリーズの完結作として公開されました。興行収入100億円を突破するヒットを記録した同作が、ついに2026年2月23日(月・祝)、TBS系列で地上波初放送されます。
しかし今回の放送タイトルは『シン・エヴァンゲリオン劇場版 TV版』と、気になる言葉が添えられています。放送枠は19時から22時までの3時間ですが、通常の番組構成ではCMや提供クレジットなどに40分以上は割かれるのが通例です。劇場公開時の本編尺は155分(2時間35分)に及ぶため、単純計算でも実質的な放送時間は130分から140分程度に収まる可能性が高そうです。
つまり、物語の根幹を維持しつつも、15分以上のシーンがカットされることが予想されます。この時間枠を想定して、「泣く泣く」削られるシーンはどのあたりになるのかを予想してみます。
まずは物語の幕開けを飾る「パリ作戦(AVANT1)」のシーンです。真希波・マリ・イラストリアスが駆る8号機がエッフェル塔を武器に戦う圧巻のアクションは、劇場での「つかみ」としては完璧な演出でした。
しかし、このシーンはシンジたちが登場する前の前日譚的な色合いが強く、物語の本筋である「シンジの再生」や「父・ゲンドウとの対峙」という文脈からは、物理的に切り離しやすいパートでもあります。そのためテンポを重視したダイジェスト版、あるいは大幅な尺調整の対象になるかもしれません。
前半の大半を占める「第3村」での生活描写も、細かなカットが入るポイントと予想されます。トウジやケンスケ、ヒカリといったかつての級友たちとの再会や、農作業を通じた「そっくりさん(アヤナミレイ)」の交流は、本作の情緒を支える重要なパートです。
そのため丸ごと削られることはないでしょうが、村でのゆったりとした時間の流れを表現する「溜め」のシーンは、TV放送のスピード感に合わせて詰められる可能性があります。また式波・アスカ・ラングレーの風呂上がりのシーン(もしくはのちに登場するプラグスーツ装着シーン)のようなセクシーな描写は、ファミリー層も視聴するゴールデンタイムの放送であることを考慮すると、カットの候補にあがるかもしれません。
10分を超える長大エンディングはどうなる?

最大の懸念点は、10分以上にも及ぶ長大なスタッフロールです。宇多田ヒカルさんによる名曲「One Last Kiss」、そしてシリーズを締めくくる「Beautiful World (Da Capo Version)」という重厚な楽曲構成は、劇場で余韻に浸るためには不可欠でした。
しかし、限られた放送枠のなかで本編の映像を1分でも多く残すためには、大幅な短縮は避けられないでしょう。本編のクライマックス映像にスタッフロールを重ねる手法も考えられますが、エピローグ部分だけでは尺が足りないのは明白です。だからといって、本作終盤の白眉である「マイナス宇宙」でのゲンドウとのやりとりやシュールなバトルに文字が重なるのは、ファンとしては避けてほしいのが人情というものでしょう。
多くの制約がある地上波放送ですが、それでも本作が持つ圧倒的なエネルギーは色あせることはありません。「TV版」がどのように再構築され、私たちに新たな感動を届けてくれるのか。23日の放送当日、その「シン」なる姿をしっかりと見届けたいと思います。
(はるのおと)



