「10年経っても待ってる」 大絶賛でも「続編」ない名作アニメ 「まだ原作の序盤なのに?」
ファンの評価がきわめて高く、「名作」といわれているアニメでも、「続編」の知らせが全くなく、多くの原作エピソードが残ったままとなっている作品があります。続編を望む一方で、ファンが複雑な感情を抱く作品も……?
原作者も大絶賛も、8年間「音沙汰なし」

昨今は動画配信サービスの充実により、何年も前に放送された作品も気軽に楽しめるようになりました。そのなかには、「こんなに面白いのになぜ続編が作られないのだろう」と思わされるアニメに出会うこともあります。「名作」と高く評価されながらも、なかなか続編の知らせが届かない作品にはどのようなものがあるのでしょうか。
2018年に放送された『ヒナまつり』(作:大武政夫)は、若きインテリヤクザ「新田義史」が、ある日突然部屋に現れた念動力を使える謎の少女「ヒナ」に脅され、振り回されながらも、ともに生活を送る物語です。
シュールなギャグとテンポのよい掛け合いに加えて、時折描かれる心温まる人間ドラマも人気を集めました。ニコニコ動画のアンケート「ネットユーザーが本気で選ぶ!一番好きなアニメ&声優2018春」では、「最も面白かった春アニメ」1位に選ばれています。さらに、作画や演出を含めた作品全体の完成度も高く、原作者の大武先生も、「月刊ニュータイプ」公式サイトで、完成したアニメについて「クオリティーがすげえ高えんだけど大丈夫?」と思ったと語っていました。
しかし、アニメ化されていない原作エピソードを残したまま、続編に関する情報はなく、ファンの間では「スタッフが売れっ子になったから難しい?」などさまざまな憶測が飛び交っています。放送から約8年経つ現在でも、「高校生編が好きだから、続編を作ってほしい」「高校生編のお弁当回をアニメで観たかった」など、続きを望む声があいついでいます。
放送から10年、今なお斬新すぎる「異世界」作品

2016年に放送された『灰と幻想のグリムガル』(原作:十文字青)は、放送から約10年が経った今でも「続編が観たいアニメ」としてよく名前が挙がる作品です。記憶もお金も特別な力も持たない少年少女たちが、謎の世界「グリムガル」で目を覚まし、義勇兵としてモンスターと戦いながら懸命に生きる姿を描いています。
異世界系といえば「最強主人公」が定番ですが、『灰と幻想のグリムガル』の主人公たちはむしろ非力で、序盤では6人がかりでもゴブリン1匹すら倒せません。等身大の少年少女が異世界に行ったらどうなるのかをリアルに描いており、その分、丁寧な心理描写や主人公たちの成長が際立ちます。また、水彩画のような色彩の、幻想的な作画も美しいと好評です。
アニメは原作の第2巻までを映像化しており、残りのエピソードも多くありますが、続編制作の情報はありません。約10年前に放送された作品とはいえ、「地に足のついた異世界もの」は今見ても斬新さが感じられ、当時の視聴者や配信サービスで本作を視聴した人からは「アニメはまだ序盤だから、続編を作ってほしい」「最近観たけど続編がないって聞いて悲しくなった」などの声があがっています。
あまりの「完成度の高さ」に複雑な心境も……?

2021年に放送された『86―エイティシックス―』(原作:安里アサト)も、続編を望む声が根強い作品のひとつです。人種差別によって戦場の最前線で戦うことを強いられた少年「シンエイ・ノウゼン」と、その現実に心を痛める上官「ヴラディレーナ・ミリーゼ」を中心に、少年少女たちの過酷な戦いや別れを描いています。
放送中はクオリティーの向上を理由に、第22話と最終回の第23話の放送が延期されましたが、「待ったかいがあった」と思わせるような完成度の高さに、多くの人が涙を流しました。本作は海外でも高く評価され、世界最大級のアニメ動画配信サービス「クランチロール」が主催する「クランチロール・アニメアワード2022」では、「Anime of the Year(アニメ・オブ・ザ・イヤー)」をはじめ複数の部門でノミネートされています。
アニメ化されていない原作エピソードも多く、現在でもグッズやコラボカフェなどの動きもありますが、続編に関する発表はありません。ファンからは続編を望む声があがる一方で、「あまりに完璧な最終回だったから、これと同等のクオリティーを望むのはなかなかにキツイと思う」「終わり方があまりにも良かっただけに、続きをやってほしいようなやって欲しくないような複雑な気持ち」との声もあがっています。
(LUIS FIELD)



