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令和の「ヒャッハー」の裏側とは? 新アニメ『北斗の拳』音響監督インタビュー

令和に蘇ったアニメ『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』にて、「北斗らしさ」を支える音響演出はどのように再構築されたのでしょうか。小沼則義音響監督に、令和版ならではの音作りやキャストのお芝居などについて聞きました。

「守るべきお作法は侵さない」&「ただの焼き直しでもいけない」

ケンシロウを演じる武内駿輔さんとは、成長過程を描くよう、すり合わせを重ねたと小沼氏。『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』第3話より (C)武論尊・原哲夫/コアミックス, 「北斗の拳」製作委員会
ケンシロウを演じる武内駿輔さんとは、成長過程を描くよう、すり合わせを重ねたと小沼氏。『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』第3話より (C)武論尊・原哲夫/コアミックス, 「北斗の拳」製作委員会

 武論尊先生、原哲夫先生による不朽の名作を、新たにアニメ化した『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』。その『北斗の拳』らしさを支える重要な要素が「音」です。

 秘孔を突く音、そしてザコたちの「ヒャッハー」や「ひでぶ」「あべし」に代表される断末魔はまさに北斗ならでは。そして昭和版のTVアニメで提示されたそれらの「音」は、ファンの心に強烈なインパクトを残しているといえるでしょう。

 令和版『北斗の拳』では、その「正解がある音」をどのように再構築したのでしょうか。小沼則義音響監督に、本作の音響演出、「ケンシロウ」役、武内駿輔さんのお芝居、そしてザコたちの叫びについて聞きました。

●「伝統芸能」として守るべきお作法

ーー「北斗らしい」音響をどのように追求したのか教えてください。

小沼 『北斗の拳』は、一度正解が出ているものなので、そこにアプローチするのは非常にプレッシャーでした。既に固定されたイメージのあるものに対してリスペクトを持ちつつ、現代的にちゃんとリデザインしました。

 打撃音や秘孔を突く音などは、過去のアニメのような誇張された音でありながら、現代に求められるリアリティと、アニメとしての説得力を目指しました。いわば伝統芸能のようなものだと考えています。だから守るべきお作法は犯してはいけないが、ただの焼き直しでもいけない。そこは真摯に向き合いました。

ーー現在は視聴環境が多様化し、テレビだけでなくスマートフォンなどで視聴する人も多いです。そうした視聴環境は意識されましたか。

小沼 昔のフィルムとは違って、今は多重録音ができます。これまでの作品の根本にあるメンタリティは保ちつつ、ヘッドホンで聞く人やスマホで見る人などがいるので、現代の音響のレンジを考慮しました。

 そのうえで、ある程度大きなテレビや外付けスピーカーで聞いていただいた時に、リッチに聞こえるようにしたい。10年、20年先でも問題なく聞いていただけるサウンド感を意識して作りました。

●ケンシロウは、最初から完成していなくていい

ーーケンシロウ役の武内駿輔さんについてお聞きします。起用の理由を教えてください。

小沼 オーディションを行ったのはかなり前だったので、その時点で彼よりも完成しているケンシロウの方も実はいました。しかし、ケンシロウの成長こそが重要であると考え、プロデューサー陣と話し合いながら選考を進めました。武内さんには、一緒にケンシロウとして成長していってもらい、最終的に「無想転生(※)」するだけの力を手に入れて、ラオウに打ち勝ってほしい。そんな思いを込めて起用しました。

※「無想転生」…北斗神拳の究極奥義。

ーー序盤のケンシロウについては、どのようなお芝居を求めたのでしょうか。

小沼 最初のケンシロウはシンに敗れ、最愛のユリアを奪われたことで絶望しています。そのため生気のないケンシロウを求めていました。しかしその一方で、武内さんもケンシロウを研究していて、彼が表現したい生き生きとしたケンシロウのプランもありました。そこは時間をかけて、ケンシロウが成長していく過程を描いていくよう、ディスカッションを重ねてすり合わせをしました

ーーシンを倒す場面では、昭和版のような分かりやすいテーマ曲ではなく、重厚な曲が流れていました。作品全体をシリアスに寄せる意図があったのでしょうか。

小沼 原作が持っているテンション感を大事にして、ドラマに合わせたサウンドをデザインしました。あのシーンは単純な勝利確定の盛り上げシーンではなく、決闘を通じてお互いの生き様を理解したり、ケンシロウが今後背負っていくべきものを理解したりするドラマが描かれているのです。

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レトロ@長谷部 耕平

雑食ライター 
小説・映画・マンガ・アニメ・ゲームなど面白ければ何でも摂取。気がついたら趣味まで仕事にしていた系のライター。チャンネル登録者4万人超えのYouTuberとしての顔も併せ持つ。エンタメ系から超がつくほど真面目なビジネス領域まで幅広く対応する雑食系。

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