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『Zガンダム』最強オールドタイプ「ヤザン」のその後は? マンガで描かれた完全復活

『機動戦士Zガンダム』の名敵役「ヤザン・ゲーブル」は、続編『ZZ』で生死不明となりました。マンガ『ガンダムMSV-R ジョニー・ライデンの帰還』では、彼の「その後」が描かれています。

まさかの師匠キャラ演じる「円熟の野獣」

『機動戦士ガンダムMSV-R ジョニー・ライデンの帰還』第4巻 作:Ark Performance/メカニックデザイン:大河原邦男/原作:富野由悠季/原案:矢立肇 (KADOKAWA)
『機動戦士ガンダムMSV-R ジョニー・ライデンの帰還』第4巻 作:Ark Performance/メカニックデザイン:大河原邦男/原作:富野由悠季/原案:矢立肇 (KADOKAWA)

『機動戦士Zガンダム』の主要な敵キャラクターのなかでも、特に人気が高いひとりが「ヤザン・ゲーブル」でしょう。地球連邦軍の特殊部隊「ティターンズ」所属のMS(モビルスーツ)パイロットであり、好戦的ながら指揮能力は抜群で、部下の面倒見もいい。さらに、「ニュータイプ」能力を持たないのに、主役級のパイロットたちを何度も追い詰めたことで「最強のオールドタイプ」として愛されてきました。

 ただ、続編『機動戦士ガンダムZZ』では主人公「ジュドー・アーシタ」に何度も返り討ちに遭う役回りとなり、完全敗北を喫した後は生死不明となってしまいます。

『機動戦士ガンダムMSV-R ジョニー・ライデンの帰還』(作:Ark Performance/メカニックデザイン:大河原邦男/原作:富野由悠季/原案:矢立肇/KADOKAWA)は、そうしたヤザンの“その後”をしっかり描いたマンガです。時代設定は『ZZ』と映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の間で、その空白を埋める作品となっています。

※以下、『機動戦士ガンダムMSV-R ジョニー・ライデンの帰還』のネタバレが含まれます。

 本作でヤザンは、地球連邦軍特殊部隊「ナイト・イェーガー」に所属し、中隊を率いる立場で完全復活を果たしました。

 その際に名乗った偽名「ヴァースキ・バジャック」も、ファンを大いに沸かせます。「ヴァースキ」がインド神話に登場する毒を持つ巨大な蛇王を意味するだけでなく、「バジャック」が『ZZ』時代にコンビを組んでいた「ゲモン・バジャック」を思わせたためです。

 復帰後もヤザンから野獣性は失われず、老獪さや指揮能力、部下への配慮にはさらに磨きが掛かっています。宇宙から地上へ降り、「どうも重力は性に合わん」とぼやきながらも敵を圧倒したり、「敵機は完全に撃破するな、手負いを増やすんだ」と的確な指示を飛ばしたり、兵站や戦況まで見据えた見事な指揮官ぶりを発揮します。まさに、円熟味を極めた職業軍人となっていたのです。

 ヤザンを復籍させたのは、かつての上官筋であり、現在は連邦議会議長に抜てきされた「ゴップ」でした。いわば政治的怪物ともいえる相手との関係性も見どころで、ヤザンゆかりの可変MS「ギャプラン」を手配したり、かつての宿敵だった「ガンダムMk-II」をサプライズで与えたりと、「ゴップはヤザンが好きすぎるのでは」と思えてしまいます。

 そしてヤザン最大の旧敵といえば、ご存じ「赤い彗星」こと「シャア・アズナブル」です。本作でも「最強のニュータイプ」(のひとり)と「最強のオールドタイプ」が、互いを引き立て合う名勝負を繰り広げました。

 さらにヤザンはゴップの養女である強化人間「イングリッド0」の護衛役も務めます。かつてヤザンは、「レコア・ロンド」や「サラ・ザビアロフ」といった女性パイロットを、駒のように冷徹に扱う一面もありました。しかし本作では保護者であり、戦術を教える師として、深い包容力を見せているのです。

 最終局面では、自分は人間ではないと錯乱しかけたイングリッド0に対し「相棒に隠し事はしない」と告げ、「ここからオレはヤザン・ゲーブルだ」と本名を明かします。そして「このヤザンがお前の願いを叶えてやるぞ!」と力強く言い放つのです。

 職業軍人として完全復活を遂げただけでなく、人間味あふれる一面まで見せたヤザンの姿に思わず癒やされてしまいます。……ヤザンなのに!

(多根清史)

【画像6枚】そう、Mk-IIにも乗りました! こちらヤザンのおもな乗機(同型機)です

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多根清史

フリーライター。主にゲーム・アニメ・漫画を守備範囲としてきたほか、ここ数年は(個人的なガジェット好きもあり)iPhoneやスマートフォン、インターネットやPCなどハイテク全般の記事も執筆。著書に『宇宙世紀の政治経済学』『教養としてのゲーム史』、共著に『超ファミコン』『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』など。

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