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『ファイアーエムブレム』死んだ仲間は戻らない残酷さ 己の手でキャラを扱う責任

死んだキャラクターは二度と戻らないのが『FE』

ゲームボーイアドバンス用ソフト『ファイアーエムブレム 烈火の剣』(任天堂)
ゲームボーイアドバンス用ソフト『ファイアーエムブレム 烈火の剣』(任天堂)

『FE』シリーズにおけるロストとは、戦闘中に敵の攻撃を受けて倒れたキャラクターが永遠に自軍から離脱してしまうシステム。一時的な戦闘不能ではなく、一度倒されてしまうと二度と本編に登場しません。『FE』シリーズを特徴づける仕様のひとつで、蘇生アイテムや倒されても復活するゲームモードなどの救済措置を除き、基本的にロストしたキャラクターは使用できなくなります。ちなみに2003年発売の『烈火の剣』TVCMでは「別離」というフレーズにより、キャラクターのロストが強く押し出されていました。

 ラスボス直前まで進めたセーブデータの進行不能バグや、手塩にかけて育てたキャラクターの消失など、筆者はこれまでさまざまなゲームプレイを通してロストを味わいましたが、そのどれとも比較にならないほど、『FE』のロストは悲壮感で満ちあふれていたのです。

ニンテンドーゲームキューブ用ソフト『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』(任天堂)
ニンテンドーゲームキューブ用ソフト『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』(任天堂)

 冒頭で触れたメッセージは、2005年発売の『蒼炎の軌跡』に登場したキャラクター・ボーレのセリフ。彼はゲーム開始から間もなく出撃するキャラクターで、主人公のアイクとも親しい明朗快活な青年です。序盤のステージはチュートリアルに近く、油断しなければほぼ安全にクリアできます。

 しかし防御力にやや不安が残るステータスにも関わらず、筆者はボーレを敵陣の奥深くへ突入させてしまいました。その結果、彼は相手の反撃を喰らって立ち上がることができず、ステージ終了後に明確な死亡と判明……。単にキャラクターが自軍からいなくなったのではありません。ゲーム内の世界を生きるキャラクターが亡くなったのです。「私たちのやっている仕事は……一瞬の油断も許されない」という女性キャラクターの言葉は、もう帰って来ない仲間を想うと同時に、自らの不手際でキャラクターを失った筆者の胸中にとどまり続けました。

『FE』シリーズから学んだ”キャラクターを扱う責任の重さ”は、この先も忘れそうにありません。

●オープニングムービー 暗黒竜と光の剣

(龍田優貴)

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【画像】『暗黒竜と光の剣』から始まった、FEの歴史(8枚)

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