お役ご免…? 『機動戦士ガンダム』一年戦争の後かえりみられなくなった兵器たち
アニメ『機動戦士ガンダム』には、多種多様な兵器が登場します。ここでは、初代『ガンダム』には登場したものの、その後のシリーズでは発展型も含めてほぼ登場しない、不遇な兵器たちを紹介していきたいと思います。
戦車は存続している…のか!?

アニメ『機動戦士ガンダム』は、人型兵器「モビルスーツ(MS)」同士の戦いを中心とした作品ですが、特に初代『ガンダム』には、人型兵器以外にも多種多様な兵器が登場しています。ここでは「『一年戦争』では大いに活用されたのに、後のシリーズでは派生機も含めてほとんど登場しないジャンル」の兵器たちを挙げて行きます。
●陸戦艇
「陸戦艇」とは、陸上を移動する超巨大兵器で、巨大な大砲や軍の司令部が搭載されている「陸上戦艦」ともいうべき兵器です。地球連邦軍では「ビッグトレー」、ジオン軍では「ダブデ」「ギャロップ」が登場します。後のシリーズでは、地球上での戦闘が非常に減少したこともあり、ほとんど見られなくなりました。
●突撃艇
「突撃艇」は宇宙用の攻撃兵器で、大型ミサイルを搭載しています。地球連邦軍の主な突撃艇は「パブリク突撃艇」、ジオン軍のそれは「ジッコ突撃艇」が挙げられます。
連邦軍の「パブリク」は、遠距離ビームを減衰する「ビーム攪乱幕」を展開するための大型ミサイルを発射する兵器で、「ソロモン要塞攻略戦」などで大量に登場している場面が印象的です。ジオン軍の「ジッコ」は強力な推力で敵に接近し、様々な弾種のミサイルを撃ちこむ兵器でした。
どちらも、MSの発展により見られなくなりましたが、「パブリク」については『ZZ』で描かれた宇宙世紀0088年のアクシズ攻防戦に参加し、ビーム攪乱幕を展開したようです。
●戦車
いわゆる「戦車」として、地球連邦軍は「61式戦車」、ジオン軍は砲塔が分離し飛行できる「マゼラ・アタック」が多数、登場しました。MSとされていますが「ガンタンク」も戦車の一種といえます。航空機ながら無限軌道(いわゆるキャタピラー)がついた「Gファイター」にも、戦車モード「Gブル」が用意されていました。ランバ・ラル隊が揚兵戦車「キュイ」を使っていたのも印象的です。
一年戦争以降、これら戦車に類する兵器は、地上用兵器でありつつ航空機的運用もできるMSに取って変わられていき、ほとんど見られなくなります。ただし、以後のシリーズでも「ガンタンクR-44」(『F91』)のように、戦車に変形するMSも登場しますし、MSを搭乗させて戦闘できる「メガライダー」(『ZZ』)も戦車の一種かもしれません(もっとも「メガライダー」は「ドダイ」のような「サブフライトシステム」に分類されるものでしょう)。
このほか、陸戦用兵器としてジオン軍には、ひとり用ホバークラフト「ワッパ」があり、一年戦争の派生作品で多く登場しました。宇宙世紀0153年を舞台とした『機動戦士Vガンダム』では、「ワッパ」は民生用として普及しているようです。
●航空母艦
「ガンダム」世界の艦艇は、大型砲を搭載しつつ、MSも運用する「航空戦艦」のような艦艇ばかりなので、艦種「航空母艦」はかなり珍しい部類です。
地球連邦軍は、飛行甲板のほかに主砲塔も備えた、かつてのソ連海軍キエフ級航空母艦を彷彿とさせる水上艦艇「ヒマラヤ級」を運用しており、ジオン軍には宇宙要塞とでもいうべき「ドロス級」があります。
一年戦争以降は「大型戦艦にMSを搭載する」ことが多く、空母は見られなくなりました。