『ガンダム』マ・クベはシャアより強い? 改めて画面を見てわかった「真の実力」
『機動戦士ガンダム』で策略家として描かれる、ジオン軍のマ・クベ大佐は、シャアには「付け焼刃」と言われていますが、劇中描写を改めて見ると、シャアにも劣らぬエースパイロットと認められる実力を発揮していました。
同じ条件、「一騎打ち」で比較することができる

「マ・クベ」とは『機動戦士ガンダム』のジオン公国軍大佐です。劇中の印象としては、「骨董マニアの策略家」という印象が強く、『ガンダム』のSF設定に多大な影響を与えた設定本「ガンダムセンチュリー』において、マ・クベを「MSパイロットとしては素人。モビルスーツ(MS)ギャンが、初心者でも操縦しやすい設計だったから、アムロのガンダムとまともに戦えた」としています。
筆者は基本的には設定を肯定した上で考察をしますが、マ・クベとギャンに関しては違和感の強い映像解釈と感じます。
というのも、劇中描写を改めて見ると、マ・クベはジオン軍最高のエースである「シャア・アズナブル」と互角か、それ以上の戦いを「アムロ・レイ」のガンダムと繰り広げているからです。
彼のMS「ギャン」は『ガンダム』第37話「テキサスの攻防」にだけ登場し、劇場版に登場しないため、その戦闘は、シャアや「ランバ・ラル」、「黒い三連星」よりも知られていないように感じます。この第37話は、ソロモン要塞戦の直後で、アムロはすでに黒い三連星などを撃墜した、連邦屈指のパイロットとなっています。
なぜマ・クベがシャアと互角だと言えるのか。第37話でマ・クベのギャンはガンダムと一騎打ちを繰り広げ、続く第38話「再会、シャアとセイラ」でシャアのゲルググがガンダムと一騎打ちしているので、比較できるのです(ギャンとゲルググはどちらも初戦闘で、ガンダム側はデータを持っていません)。
まず、ギャンはゲルググと次期主力機を争って負けた機体ですから、総合性能はゲルググと互角かやや下でしょう。なお、劇中でマ・クベは「私専用に開発していただいた」と発言しています。素直に解釈すれば「マ・クベ専用に開発されたが、高性能なのでゲルググの対抗機に抜擢された」のでしょう。つまりマ・クベは「専用MSが開発される腕前」ということです。シャアでさえ「量産機をチューンナップした機体」で「専用に開発された機体」ではありません。つまり、マ・クベの力量は上司キシリアに評価されていたと考えられます。
では、マ・クベはどう戦ったのでしょうか。第37話でマ・クベはリック・ドム隊をガンダムとGファイターにぶつけます。この時のリック・ドムはアムロが手練れと認める精鋭ですが、ガンダムには攻撃がかすりもしません。しかし、マ・クベは味方を囮(おとり)にした不意打ちで、ガンダムにシールドミサイルを命中させ、盾を破壊します。ガンダムはビームライフルで反撃しますが、ギャンは回避して近くのテキサスコロニーに誘い込みます。
一方、第38話でシャアの「ゲルググ」は、同じく不意打ちで、ガンダムの後ろからビームライフルを2発撃ちますが、回避されています。ガンダムに発見された後、ゲルググはさらにビームライフルを10発撃ちますが、1発がかすっただけでした。シャアは「私の射撃は正確なはずだ。それをことごとく外すとは」と驚いていますので、わざと外してはいません。
なお、ガンダムはギャンとの戦闘でビームライフルを失った後で、反撃されないシャアの方がマ・クベより有利でした。また、シールドミサイルはビームライフルより弾速が遅いのに、マ・クベは当て、シャアは外したのです。



