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『Zガンダム』勝者のエゥーゴが瞬時に消滅したのはなぜ? 連邦視点で見ると面白い「宇宙世紀」

『機動戦士Zガンダム』『機動戦士ガンダムZZ』の主人公陣営である「エゥーゴ」。『Z』『ZZ』で、「ティターンズ」「ネオ・ジオン」に勝利を収めましたが、勝利後すぐに存在自体が消えてしまいます。なぜそうなったのでしょうか。

勝利者にも関わらず、勝利後すぐに消滅した「エゥーゴ」

「エゥーゴ」に参加することになる『Z』の主人公・カミーユ。画像は『機動戦士Zガンダム -星を継ぐ者- [DVD]』(バンダイビジュアル)
「エゥーゴ」に参加することになる『Z』の主人公・カミーユ。画像は『機動戦士Zガンダム -星を継ぐ者- [DVD]』(バンダイビジュアル)

「宇宙世紀」を描いた「ガンダム」シリーズには、さまざまな勢力が登場します。そのなかでも、「エゥーゴ」は『機動戦士Zガンダム』『機動戦士ガンダムZZ』の主人公側陣営であり、かつ勝利者にも関わらず、宇宙世紀0089年1月17日の第一次ネオ・ジオン抗争への勝利後すぐに消滅します。

 エゥーゴの中心人物であった「ブライト・ノア」や、「アムロ・レイ」は、宇宙世紀0090年3月21日に反地球連邦政府活動の取り締まりを目的とした、地球連邦軍の外郭新興部隊「ロンド・ベル」に参加しています。

 エゥーゴとは「反地球連邦組織」の略称であり「地球の保全とアースノイドとスペースノイドの共存」を理想として結成され、連邦軍、ジオン軍の穏健派が参加した軍事組織です。そして勝利したにも関わらず、主要メンバーは連邦軍となり、皮肉にも「反地球連邦政府活動の取り締まり」を行うことになったわけです。

 エゥーゴはジオン残党狩りを目的に誕生した「ティターンズ」や、ジオン残党である「ネオ・ジオン」を打倒し、狂信的なアースノイドとスペースノイド、双方の力を削いだわけですから、理想である「地球の保全とアースノイドとスペースノイドの共存」を実現する好機とも考えられますが、政治的主導権を握ることなく消滅したことになります。

 なぜ、エゥーゴは消滅したのでしょうか。エゥーゴなどのメンバーが参加して結成されたロンド・ベル隊により理想を継承できたのかと言えば、むしろ政府に冷遇されています。ガンダムタイプの高性能モビルスーツはなかなか配備されず、結成直後の宇宙世紀0090年にはジオン残党に敗北して、司令のブライトが責任を問われる程度にしか戦力を持たされていませんでした。

 それは『機動戦士Zガンダム』以前の「ニュータイプを敵視して監視し、反地球連邦勢力を取り締まる」連邦と大差ない姿勢で、スペースノイドの取り締まり組織が「ティターンズ」から「ロンド・ベル」に変わっただけと見ることもできます。

 このような政治的状況になるには、理由があると考えられます。『機動戦士ガンダム』一年戦争からの政治的状況を、地球連邦政府側の視点で見ていくと答えが出ると感じますので、考察と解説をしていきましょう。

【画像】え…エゥーゴの制服ってけしからんな… コチラが「ナイスくびれ!」なエマさんの姿です(6枚)

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