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40周年『星雲仮面マシンマン』 実は多かった少女ファンが「キュン」とした要素とは?

一番大事なことは、美しい心を持つことだ!

●口が見えてキュン?

 OP「星雲仮面マシンマン」、ED「おれの名はマシンマン」、どちらも作曲は『ルパン三世』で知られる大野雄二先生。画像は『星雲仮面マシンマン』レコード(日本コロムビア)
OP「星雲仮面マシンマン」、ED「おれの名はマシンマン」、どちらも作曲は『ルパン三世』で知られる大野雄二先生。画像は『星雲仮面マシンマン』レコード(日本コロムビア)

 低予算だったからか、マシンマンが身にまとう「ウォーリアスーツ」のデザインはスタイリッシュとは言いがたい出来でした。マントは透明のビニール、胸には妥当な「M」の文字、しかも仮面マスクは「口元が見えるタイプ」でした。

 口が見えるヒーローは生身の人間感が出て不評を買うケースも多いのですが、実は逆にここがキュンポイントだったようです。顔のアップもあったので、佐久田さんは変身後もアクターを務めて、簡単なアクションシーンを演じていました。ですからファンは、変身しても「高瀬」を認識できたのがうれしかったそうです。

●強さと一途な男らしさにキュン?

 マシンマンは、テンタクルが起こす悪事に巻き込まれた子供を助けますが、本当の目的は、スクープを取ろうと事件に首を突っ込んで危険な目にあう「大好きな真紀を守るため」です。つまり特撮の王道である「平和を守る」という概念はほぼありません。実はこの「大好きな人を守るだけ」という、一途な男らしさも「キュンポイント」でした。

●悪人へのやさしさにキュン?

 マシンマンは敵の戦闘サイボーグは撃破しますが、洗脳された悪人には「カタルシスウェーブ」というエネルギーを照射し、人間の悪い心を善に変えます。悪人は正気を取り戻し、二度と悪いことをしないと反省するのでした。例えば、悪事を働いた女性をマシンマンが諭した、こんなシーンがあります。

 マシンマン「何の目的で子供たちの顔にいたずらをしたんだ!」

 女性「私、いつも自分の顔がイヤでイヤで、人がいつも私の顔を見て笑っている気がして。それで仕返しに子供たちのことをいじめてたの」

 マシンマン「キミの顔を見て笑う者はひとりもいない、キミがそう思っているだけだ。人間は顔じゃない、一番大事なことは、美しい心を持つことだ!」

 このセリフにキュンときた女の子は多かったでしょう。このように、悪者も傷付けず改心させて倒す「カタルシスウェーブ」は、特撮ファンのあいだで「最強の技」と推す人も多いようです。

『星雲仮面マシンマン』は、全36回の放送で終了します。今回は女子人気の裏側を紹介しましたが、アクションや必殺技もカッコよくてもちろん男子にも人気絶大でした。平均視聴率は9.65%とまずまずの結果を残しましたが、局の看板になるほどのシリーズには成長しませんでした。

 女子の心をキュンとさせ、コアなファンが多かった「マシンマン」こと佐久田脩さんは、時代が時代ならヒーロー役から火が点いてアイドル的人気になっていたかもしれません。その後も、役者・ナレーター・声優として活躍しましたが、残念ながら2020年12月に62才で亡くなられています。

(石原久稔)

【画像】え…っ? 改めて見るとめっちゃ多い!これが「石ノ森章太郎先生が生んだ特撮ヒーロー」が一堂に会した姿です(4枚)

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