ヒンメルが「勇者の剣」が抜けなかった真意とは? 『フリーレン』2期で再確認すべき”3つ”の根本的な謎
アニメ『葬送のフリーレン』で、ついに「神技のレヴォルテ編」が始まりました。第2期の加速する展開を前に、整理しておくべき「3つの根本的な問い」とは? あえて答えを探しながら観ることで、物語の解像度が格段にあがるでしょう。
『フリーレン』に潜む3つの根本的な謎とは?

放送中のアニメ『葬送のフリーレン』(第2期)は、物語の大きな節目となる「神技のレヴォルテ編」に入りました。物語の本筋はここからともいえ、戦闘シーンの増加や魔法描写のスケール拡大など、視覚的にも展開的にも派手さが増していくと思われます。
原作は、「週刊少年サンデー」(小学館)連載中(現在は休載中)で、作中には明確でない謎が山ほどあり、謎を謎のまま提示し続けるため回収が難解なマンガだと評されます。
そこで、アニメ『葬送のフリーレン』をより楽しむための「根本的な3つの謎」を整理してみました。このベースを押さえておくと、「でも、なぜそうなるのか」という感覚が残り、考えながら見て楽しめるようになるはずです。
謎1【勇者一行はどのように魔王を倒したのか? それ以前に、本当に倒したのか?】
作中では、勇者「ヒンメル」一行が魔王を倒したと語られていますが、その決定的な戦闘の回想は一切描かれていません。何人がかりで戦ったのか、ヒンメルが決定打を放ったのか、あるいは別の形で決着がついたのかも不明です。
また、魔王との戦いは「人類史上最大級の戦い」であったはずなのに、一行の誰も命を落としていない点も不自然です。「倒した=殺した」とは限らない可能性もあります。
謎2【魔族とは何か? 魔王の目的は何だったのか?】
「フリーレン」は、「魔王は魔族と人類の共存を目指していた」と話していますが、何があって1000年にも渡る戦争に発展したのかが不明です。それ以前に、魔族はどうやって誕生したのか、その頂点に立つ魔王はどのくらい脅威だったのか、重要人物ながら未知すぎます。
また、魔王が倒された後も直属の配下である「七崩賢(しちほうけん)」が活動を続けている点も不可解です。これは、魔族と人間の対立が「善悪」ではなく、「生態や価値観の異なる種の衝突」であることを示唆しています。この視点を持つと、戦闘や対話の場面にヒントが隠されているようで五感が研ぎ澄まされます。おそらく、終盤まで答えの出ない謎でしょう。
謎3【勇者ヒンメルは何者だったのか?】
ヒンメルは人間であり、魔王を討伐した勇者とされていますが、多くの点が謎に包まれています。象徴的なのは、「勇者の剣」を抜くことができなかった事実です。にもかかわらず魔王を倒したとすれば、剣以外の決定的な手段や資質を持っていたことになります。
しかし、ヒンメルが魔法を使えたのかどうかは明らかでなく、戦闘スタイルも断片的にしか分かっていません。彼が強さで魔王を倒したのか、それとも別の方法で終わらせたのか。この点は、フリーレンの記憶の曖昧さとも重なり、物語の根幹に関わる謎として残ります。
以上が、根本的な3つの謎です。他にも、「フリーレンの生い立ち」は、ほぼ分かっていません。「魔王城の現在」、「魂の眠る地」など、曖昧なワードはたくさんあります。『葬送のフリーレン』は、謎を解決する物語ではなく、分からないまま考え続ける感覚で続く作品だといえるでしょう。これらの疑問を頭の片隅に置いておくことで、戦闘や会話のひとつひとつが、より意味深く見えてくるはずです。
ちなみに、「神技のレヴォルテ編」は、謎が解ける章ではなく、むしろ、「なぜ答えが示されないのか」を、戦闘と魔法のスケールで体感させる章だと思います。アニメを見るのが楽しみになってきましたか?
(石原久稔)

