『ドラクエ2』最初からサマルトリア王子が最強だったら? 再現可能だが準備が苦行すぎ!
棺をひきずりながらレベルを上げ、「子犬」と出会う

初めて到着したムーンペタでは、脳内ストーリーがはかどります。
* * *
僕はローラの門を抜けて、ムーンブルクの領内に足を踏み入れた。仮死状態となったアスアを入れた棺を引きずっているうちに、少しは腕力もついたようだ。
リルムによると、ふたりが離れると後で呪いを解けなくなるらしいので、アスアを連れていくしかない。新しく覚えたベギラマで、多くの敵を薙(な)ぎ払って進む。
しかし、生き残ったマンドリルの一撃を受けて、全身が痛んだ。魔法力がなくて、傷も癒せない。ムーンペタの町に入ると、緊張が切れて、僕は倒れこんだ。
棺とともに倒れた僕を不審がり、町の人が遠巻きに見ているなか、美しい子犬が僕のところに駆け寄ってきた、心配そうに僕を見て、傷口を舐めて、癒そうとしてくれる。不思議なことに、少し痛みが引いてきた。
「……大丈夫だよ。僕は勇者ロトの子孫だから、これくらいじゃ、死なないさ」
「くーん、くーん」
子犬は首を横に振った。
「人間の話がわかるの? 君は優しいだけじゃなくて、頭もいいんだね。……きっと、立派な人のところで暮らしていたんだろう。ハーゴンがこの国を滅茶苦茶にしたから、飼い主とはぐれてしまったのかな? こんなに痩せて、可哀そうに……」
僕は何とか立ち上がり、宿屋に向かった。そして、宿屋の主人に「料金をもうひとり分支払うから、この子にも食べ物を作ってあげて」と言う。
子犬はびっくりして、首を横に振る。僕は微笑んで、子犬を撫で、目線を合わせた。吸い込まれそうなほど、美しい瞳をしている子犬だった。
「聞いて? 僕はこの国を解放しに来たんだ。もう、何も奪わせない。君からもね」
頭のいい子犬は、深く深く、何度も僕に頷いた。
* * *
子犬と関わったところで、ムーンブルク城でレベル上げ開始です。ベギラマで大抵の敵は倒せるのですが、リビングデッドとメタルスライムは避けて通ります。
リビングデッドはベギラマ3発が必要なので、消耗が激しすぎますし、メタルスライムはほぼダメージが通らないうちに、敵のギラの呪文でこちらが倒されるからです。
単調な作業なので、ラリホーアントやリザードフライが、1/8の確率で落とす「ふくびきけん」で福引を回して、退屈をしのぎます。
福引を数百回も回すと……出ました! 1等「ゴールドカード」! 定価の25%引きでアイテムを買えます。この時点で買える最強装備をすでにそろえているので、何も買うものがないのですが。
というわけで脳内ストーリー。
* * *
美しかったムーンブルク城は、破壊されて見る影もなかった。城内には亡霊がさまよい、無念の思いを訴えていた。僕は怒りを込めて魔物を討伐し続ける。
城内で出会ったムーンブルク王の亡霊は「我が娘、マリアは呪いで犬にされた」と無念を訴えていた。幼いころ、この城に来たときに、転んで怪我をした僕に駆け寄って、ベホイミをかけてくれた女の子がいた。それがマリア姫との出会いだった。
そこで気づく。倒れていた僕に駆け寄った子犬の所作が、マリアと重なることに。
ムーンペタに戻った僕は、子犬のところに急いだ。子犬は宿屋の主人が世話をしてくれて、すっかり元気になっていた。僕の無事を喜んで、駆け寄ってくる。
「ねぇ、マリア」
そう子犬に呼びかけた。子犬はひどく驚いた顔をした。
「やっぱり、君がマリア姫なんだね」
そう言うと、子犬の目から涙が溢れ、こぼれ落ちた。僕は子犬を抱え上げ、一緒に泣いた。
「君の振る舞いが、マリア姫に似ていたんだ。そして、ムーンブルク城で王様の亡霊が『娘が呪いで犬に変えられた』と言っていた。僕は、ロトの子孫にかかる呪いを解く旅をしている。君の呪いも解く方法を見つけるよ。絶対に」
子犬……マリアは、何度も僕に頷いた。
翌日から、マリアは街中を歩く僕に付いてくるようになった。福引所を通ったので、マリアに話しかける。
「ちょっと福引して行こうか。今日は何かいいことがある気がするから」
福引機を回すと、太陽のマークが揃う。
「やったよマリア! 1等賞だ」
ゴールドカードを握りしめて、僕は子犬に言った。ちょっぴり嬉しさがこみあげてくる。マリアの存在に気づけたことに、精霊ルビス様が祝福をくれた気がした。
* * *
とはいえ、ゴールドカードがあっても、レベル上げは楽になりません。転機は33レベルになった時。通常攻撃がメタルスライムに通るようになったのです。33レベル時点の経験値は38万。目標100万なので、遠い道のりですが、狩りの効率が上がります。

メタルスライムを狩るうちに「てつかぶと」もドロップしたので、棺のアスアに被せておきました。そして、ようやく最高レベル45に。これでストーリーが進められます。
* * *
ムーンブルク城をくまなく探索した僕は、外壁から入れる隠し部屋に気づいた。食糧を貯蔵した地下室が見つかる。
そこで生き残っていた兵士は「姫様は、呪いで姿を変えられて、どこかの町に……。姫の呪いを解くには、真実の姿を映すというラーのかがみが必要です!」と僕に訴えた。
騎士の亡霊が、ラーのかがみの場所を教えてくれた。沼地に沈む、ラーのかがみをつかむと、僕はルーラでムーンペタの町に戻った。
呪いを払うラーのかがみ。その魔力に触れた僕は、今ならアスアの呪いも祓える気がした。集中して復活呪文「ザオリク」を、アスアに施す。仮死状態のアスアに生気が宿り、ふたり分の呪いが僕へと戻るが、限界まで鍛えた今の僕には通用しない。呪いが消し飛び、アスアが目覚めた。
「んっ……カインか。随分よく寝たなぁ。ここはどこだ?」
アスアが僕に話しかけてきた。人の気もしらないで、呑気な奴だ。
「ていうか、お前、本当にカインなのか。見違えたぞ」
無数の戦闘を乗り越えた僕を見て、アスアが驚く。
「君の呪いを解くためには、自分を限界まで鍛えるしかなかった。詳しいことは後で。もうひとり、呪いを受けた人がいる。少しでも早く、救いたいんだ」
アスアの返事を待たずに、町はずれに急いだ。ラーのかがみで子犬を写すと、鏡が砕け散る。ハーゴンの本拠地ロンダルギアに近い、この地での呪いはそれだけ強力なのだ。
でも、鏡の力が呪いに勝った。砕ける前に、鏡は真実の姿である、ムーンブルクの王女の姿を写し出し、実体化させていた。
「ああ、元の姿に戻れるなんて……。もうずっとあのままかと思いましたわ」
あまりにも美しい少女がそこに立っていて、僕は茫然とした。
「わたしはムーンブルク王の娘、マリア」
マリアは、アスアを見て、丁寧に自己紹介する。こんなに待たせて、ごめん。涙が止めどなくあふれ出てくる。
「わたしを、貴方がたの仲間にしてくださいませ。共に戦いましょう!」
泣いている僕の手を取って、マリアはそう言った。
* * *
というわけで、ようやく3人がそろいました。今回のプレイを記録した「ふっかつのじゅもん」は以下の通りなので、興味がある人は遊んでみて下さい。
べへお おびり よもやも
やぴぷ ぺぽけ ぐかめの
めまぷ せにあ からきし
ぐへべ とふぽ ざろるれ
ろわぐ たおに
換金用に「はがねのたて」を沢山持たせていますが「最初からサマルトリアだけ最強」というコンセプトなので、「ぎんのカギ」すら取っておらず、イチから冒険できます。
次回は、この状態で3人がいよいよ冒険に出ます。お楽しみに。
(安藤昌季)
※「最強サマルトリア王子」のなりきりプレイ2回目はこちら
※本文の一部を修正しました。(2024.1.28 17:30)





