マグミクス | manga * anime * game

「最高かよ!」NHK BSで『カメラを止めるな!』放映 制作費300万円が31億円に化けたゾンビ映画

ゾンビがわらわらと出てくるB級ホラーと思いきや、実は笑いと映画愛にあふれた感動作だった……? そんな意外性が話題となり、大ヒットしたのが『カメラを止めるな!』です。スタッフ&キャストは無名でしたが、上田慎一郎監督や主演の濱津隆之さんは活躍の場を大いに広げました。社会現象と呼ばれた「カメ止め」ブームを振り返ります。

無名キャストらの情熱が生んだ奇跡のヒット作

映画『カメラを止めるな!』ポスタービジュアル (C)ENBUゼミナール
映画『カメラを止めるな!』ポスタービジュアル (C)ENBUゼミナール

「最高かよ~!」

 2018年に都内2館での上映から始まり、最終的には全国353館で公開され、興収31億円の大ヒット作となったミラクルムービーといえば、ホラーコメディ映画『カメラを止めるな!』(2017年)です。

 制作費は300万円、キャストはワークショップ(体験型セミナー)に参加した無名の俳優たちがほとんどでしたが、SNSなどで面白さが口コミ的に広まり、上映館は連日の大盛況となりました。略称「カメ止め」は2018年の流行語大賞にノミネートされるなど、社会現象にもなっています。

 NHK BSでは2024年3月11日(月)の23時30分から、ノーカットで『カメラを止めるな!』が放映される予定です。「最高かよ~!」「アツアツ」「よろしくでーす」「ポンッ」など、キラーワードが飛び交う『カメラを止めるな!』の魅力を振り返ります。

ワンカットで撮影したゆる~いゾンビ映画のはずが……

 タンクトップ姿の若い女性(秋山ゆずき)がゾンビに襲われるシーンから、映画は始まります。いきなりステーキならぬ、いきなりゾンビです。実はこの場面、低予算のゾンビ映画の撮影現場であることがすぐに分かります。ところが、撮影クルーが本当にゾンビ化してしまい、現場は大パニックに陥ります。

 この冒頭シーンは、37分間にわたってワンカットで撮られています。さらに映画中盤で、このシーンはゾンビ専門チャンネルの開局記念番組『ワンカット・オブ・ザ・デッド』だったことが明かされます。劇中劇映画の舞台裏を追った、三重構造のドラマとして物語は進行します。物語後半を見ることで、雇われ監督の日暮(濱津隆之)をはじめとするスタッフの涙ぐましい努力とキャストのアドリブによって、B級映画の現場が成り立っていたことを知り、笑いと感動がぐいぐいと込み上げてきます。

 ワンカットで撮影されたゾンビ映画パートは、茨城県水戸市の浄水場跡地でロケ撮影され、合計6テイクを撮っています。途中、カメラのレンズに血のりがかかる瞬間がありますが、これは演出ではなく、本当のアクシデントだったそうです。

 いくつものトラブルを乗り越え、最初はバラバラだったキャストとスタッフが一丸となり、低予算映画を完成させるドキュメンタリーさながらの様子に、胸が「アツアツ」になってしまいます。

 まさに監督の日暮が口にする「最高かよ~!」という言葉どおりの、インディーズ映画の大傑作に仕上がっています。無名キャストやスタッフの奮闘ぶりに、映画の神さまが微笑んだ作品だと言えるでしょう。

【画像】「えっ…? 見たいかも」これが「意外に笑えるゾンビ映画」たちです(5枚)

画像ギャラリー

1 2