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いつから「ザク」は「ザクII」になったの? 歴史を振り返ると見えてきた誤解のワケ

子供たちが誤解した「ザクII」という名前

1985年発売のキット。確かに「II」と表記されてしかるべきところではあるかも。「1/144 ザクマインレイヤー」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ
1985年発売のキット。確かに「II」と表記されてしかるべきところではあるかも。「1/144 ザクマインレイヤー」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

 誤認された名前。それはMSV最初のガンプラとして発売された「1/144 MS-06R ザクII」という商品名です。実は、この表記に間違いはひとつもありません。表記されている名前に誤字はひとつもないのですが、あえて言うのならば、正確な表記ではなかったということでしょうか。

 このMS-06Rは、現在では「高機動型ザクII」というのが一般的です。しかし当時は「高機動型」という表記はほとんどなされず、「MS-06R」に「ザクII」と続く表記がほとんどでした。つまり、この言葉足らずが誤解を生んだわけです。

 これでは「ザクII」とは「MS-06R」のことと思い込む人も少なくありません。ちなみに同時期に発売されたザクバリエーションは「MS-06K ザクキャノン」「MS-06D ザクデザートタイプ」「MS-06M 水中用ザク」となっていて、「ザク」だけではないプラスαの名前が付けられていました。

 しかも誤解を増長することがほかにもありました。通常のザクIIのバックパック変更仕様である「MS-06F ザクマインレイヤー」です。ザクキャノンなどのように個別の型式番号が振られたものではなく、いわゆる汎用型である「MS-06F」の範疇にあるものという扱いであり、そして本来ならば「ザクIIマインレイヤー」のはずですが、すっぽりと「II」がありません。

 逆に、ほかにも発売されたR型のガンプラを見ていくと、すべてが「ザクII」と表記されています。これではTV版のザクは「ザク」、R型は「ザクII」という思い込みをしても無理はないかもしれません。

 もちろん、そのような思い込みはしていないという人もいると思います。筆者もそのような誤解はしませんでした。しかし、一部のガンダムファンの中から「ザクIIはR型のはずだったのに、いつの間にか普通のザクのことになった」という意見を時折、目にします。これに関しては検証した通り、事実が変わったというわけでなく、当時の記述が紛らわしかったということでしょうか。

 一番の問題は、通常のMS-06をザクIIと表記するガンプラを出せなかったことにあるかもしれません。ちなみに、上述した「高機動型」以外で「ザクII」という名前がガンプラで使われたのは、1996年に販売されたOVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の「RX-79 ガンダム VS MS-06J ザクII」が初めてになります。

 ブームだった「SDガンダム」のころの「カードダス」でも、「MS-05 旧ザク」「MS-06 ザク」「MS-06R ザクII」という表記がほとんどでした。これでは当時の子供たちが誤解したままでも無理はありません。

 もっとも個人的には、どうして当時の担当者は「ザク」と「ザクII」という誤解しそうな表記を続けたのか、という点に疑問が残ります。この謎に関して新たな真実が明かされることはあるのでしょうか。

(加々美利治)

【画像】確かに表記が違う! こちらがガンプラ「ザク」「旧ザク」旧キットの箱絵です

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