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『鬼滅の刃』なぜ不死川実弥は弟「玄弥」の「鬼喰い」にあそこまで激昂したのか?

好評放送中のTVアニメ『鬼滅の刃 柱稽古編』の第5話「鬼を喰ってまで」では、恋柱、蛇柱、風柱の柱稽古に加えて、激しすぎる不死川実弥と玄弥の兄弟ゲンカが描かれました。なぜ実弥は、玄弥の「鬼喰い」にあんなにも激昂したのでしょう?

「鬼喰い」で変わった玄弥の体

風柱である不死川実弥の息をのむ剣技が描かれた『鬼滅の刃 柱稽古編 DVD/Blu-ray Vol.1』 (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
風柱である不死川実弥の息をのむ剣技が描かれた『鬼滅の刃 柱稽古編 DVD/Blu-ray Vol.1』 (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 2024年春アニメとして好評放送中のTVアニメ『鬼滅の刃 柱稽古編』の第5話「鬼を喰ってまで」では、「恋柱」の「甘露寺蜜璃」宅での柔軟、「蛇柱」の「伊黒小芭内」の太刀筋矯正、「風柱」の「不死川実弥」の打ち込み稽古が描かれました。時間を計ってみたところ、風柱の柱稽古シーン(8分35秒)のうち、半分以上の時間が実弥と「不死川玄弥」との兄弟ゲンカからの大乱闘に充てられています。

 なぜ、実弥は玄弥の「鬼喰い」にあんなにも激昂したのでしょうか?

※この記事では、『鬼滅の刃 柱稽古編』の第5話以降の内容を含みます。原作マンガを未読の方はご注意ください。

 玄弥がいつから「鬼喰い」を始め、どのくらい喰ったかは明らかではありませんが、最終選別からの2年ほどで、彼の体格は「160cm、56kg」から「180cm、76kg」へと急成長しています。年齢的には成長期ではありますが、鬼喰いの影響もあったかもしれません。

 そして、玄弥は鬼喰いによって一時的に鬼の体質を手に入れることができ、「怪力」「血鬼術」「復元能力」を発揮できるようになっています。一般的に鬼化した人間は、理性を失い、人間を襲ってくるものです。しかし、玄弥は真っ黒な目をして、牙をむき、よだれをダラダラ垂らすほど鬼化していても、理性を失わず、「竈門炭治郎」らと協力して「上弦の肆」である「半天狗」と戦うことができました。

 玄弥の「鬼喰い」のきっかけについては、『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録』によると、「剣士としての才能がないため精神的に追い詰められて鬼を食べてしまいました」となっています。もともと玄弥は、実弥と同じように剣技を磨いて鬼殺隊の「柱」になりたかったのでしょうが、残念なことに彼は「呼吸」の才能に恵まれませんでした。その代わりに彼に備わっていたのが、「並外れた咬合力(かみ切る力)」と「(鬼の血肉を自分の力に変換できる)消化器官」です。

 これは鬼殺隊でも唯一無二の特殊な才能でしたが、鬼の絶滅を使命とする鬼殺隊にあっては、決して「他人に誇れる才能」ではなく、むしろ「忌み嫌われる行為」だったのではないでしょうか。それが分かっているからこそ玄弥も、「食べてしまいました」という言葉を使っているのだと思われますし、師匠である「岩柱」の「悲鳴嶼行冥」にすら、鬼喰いのことを明言してはいなかったようです。

 玄弥の鬼喰いについて、悲鳴嶼は、「察して」「弟子にしてくれた」うえで、体を心配して「蟲柱」の「胡蝶しのぶ」に取り次いでくれました。しのぶは、玄弥の体を心配してなのか、「会うたび説教」するものの、彼らふたりは玄弥の気持ちをおもんばかって、鬼喰いを止めることも責めることも、あえてしなかったようです。

 しかし、実弥は違います。「俺には弟なんていねェ」と玄弥を拒絶し、ひどい言い様で鬼殺隊をやめるように促しました。そして鬼喰いのことを聞くと、「テメェ、鬼をォ、喰っただとォ?」と発した次の瞬間、きっちり瞳の真ん中を狙って、本気で目をつぶそうと玄弥に飛び掛かったのです。

 実弥には、「鬼化した母親に家族を殺され、母を自らの手で殺した」という、過酷すぎる過去があります。だからこそ彼は人一倍、鬼を憎み、炭治郎と妹の「竈門禰豆子」の処遇をめぐる柱合会議でも、ことさら禰豆子につらく当たり、敬愛してやまないお館様にすら、「人間ならば生かしておいてもいいが、鬼は駄目です。承知できない」と反発して、血が出るほど歯を喰いしばっていました。

 そのような実弥だからこそ、弟の玄弥の鬼喰いにあれほど強烈に反応したのでしょうか。鬼を喰うことは、間接的に人間を喰っていることにつながるから嫌悪感を抱いたのか、あるいは、憎い鬼を体内に取り入れた玄弥にも憎悪を抱いたのか……?

 ただひとり、その答えを知っていたのは炭治郎です。正確に言えば、「炭治郎の鼻」です。

 第5話でも、実弥と玄弥の言い争う声が聞こえる廊下のほうに、炭治郎が鼻をクンクンさせる姿が描かれていました。そして、そのときの匂いから分かった実弥の気持ちを「柱稽古編」の悲鳴嶼の稽古を終える際に、炭治郎は玄弥にそっと伝えています。内容が明らかになるのはもっと先になりますが、兄弟の仲直りは炭治郎の鼻のおかげでギリギリ間に合ったと言えそうです。相手を思うからこそ、もつれてしまった兄弟の思い、タオルを握りしめて見守りましょう。

 ※禰豆子の「禰」の字は、「ネ」+「爾」が正しい表記

(山田晃子)

【画像】えっ、怖っ! これは目が真っ黒になる「鬼化」した玄弥の姿です(3枚)

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