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「セルフリメイク」で比べたらビックリ? 絵柄の変化に驚かされる人気マンガ

長期連載のマンガでは、多少の絵柄の変化は避けられないものです。なかには作者の画力の向上や作品の方向性の変化によって、連載初期と後期で見た目や印象が大きく異なるケースもありました。

劇画調からライトな絵柄へ

『グラップラー刃牙』第1巻(秋田書店)
『グラップラー刃牙』第1巻(秋田書店)

 長期連載されているマンガの初期と後期を比べてみると、主人公たちの絵柄が、別人と思えるほど変化している作品も存在します。作者の画力向上だったり、時代に合わせて意図的に変えていたりと理由はさまざまで、長期連載の作品ではこのような絵柄の変化も面白い要素のひとつです。

●『刃牙』シリーズ

 1991年に連載を開始したマンガ『刃牙』シリーズは、現在も第6部『刃牙らへん』を連載中の大人気作品で、長年にわたり多くの読者を魅了してきました。迫力満点のバトルやキャラの個性はもちろん魅力的ですが、絵柄の変化もシリーズを語る上で欠かせない要素です。

 第1部『グラップラー刃牙』の序盤では、主人公「範馬刃牙」の髪はベタ塗りにハイライトのみで、筋肉も現実に近い描かれ方をしていました。しかし、「最大トーナメント編」では刃牙の髪は房が描かれるようになり、筋肉もやや誇張気味に描かれるようになっています。

 また、シリーズが進むにつれて目や表情の描き方も変化しており、どの時期の絵柄が好きかは、ファンの間でも好みが分かれる部分です。第5部『バキ道』第17巻には、作者である板垣恵介先生本人が描き直した『セルフリメイク版 グラップラー刃牙 1話』が掲載されているので、興味がある方は変化を比べてみるのも面白いのではないでしょうか。

●『こちら葛飾区亀有公園前派出所』

 マンガ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、通称『こち亀』は、1976年から2016年まで40年にわたって一度の休載もなく連載していた超長期連載作品です。

 これだけ長い間連載している『こち亀』は、当然ながら絵柄が初期から大きく変化しました。序盤は1970年代のマンガに多く見られる劇画調で描かれており、主人公の「両津勘吉」も読者に少し怖い印象を与える絵柄です。しかし、絵柄は時代に合わせてシンプルなものに変化していき、両津も丸みを帯びたかわいらしさも感じる容姿になっていきました。

『こち亀』は、連載終了後も年に一度のペースで読み切りが描かれており、2021年には新刊である201巻が発売されました。40年にわたって連載を続けていた『こち亀』は、時代に合わせて変化し、現在も我々を楽しませてくれています。

●『魔法陣グルグル』

 マンガ『魔法陣グルグル』は、1992年に連載開始されたギャグファンタジー作品で、1994年にアニメ化され、2017年にリメイクアニメが制作されました。同作は、連載中に向上した画力の影響で、絵柄が大きく変化したマンガとして知られています。

 連載開始当初の『魔法陣グルグル』は、粗削りの画力で描かれるシュールなギャグが味となり大きな話題になりました。とくに、モブキャラとして登場したはずの「キタキタおやじ」の存在感は群を抜いており、主役の「ニケ」と「ククリ」を超えるほどのインパクトを読者に与えています。しかし、中盤以降は画力が向上し、ニケとククリはよりかわいらしくなり、作風も柔らかで癒やされるものになりました。

 当時は、初期の作風を懐かしむ声もありましたが、現在Web連載している『魔法陣グルグル2』では、ニケやククリ、キタキタおやじらおなじみのキャラたちは、昔からのファンと新しいファンを楽しませています。

(SU_BU)

【画像】え…っ? こんな絵柄変わったか… こちらが1991年『グラップラー刃牙』1話と2019年のセルフリメイク版の1話「カラー絵」です(3枚)

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