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『うしおととら』藤田和日郎とヤマハ開発者が語る、「白面の者」とバイク「R6」の誕生秘話

描くごとに深まっていった、「白面」の本当の姿

東西の妖怪たちと人間が結集した最終決戦において、白面の者に挑む潮ととら (C)藤田和日郎/小学館
東西の妖怪たちと人間が結集した最終決戦において、白面の者に挑む潮ととら (C)藤田和日郎/小学館

――白面の者は『うしおととら』の物語全体を通じて、強大な力や恐ろしさを読者に印象づけました。藤田先生は白面の者というキャラクターを、どのように形作られたのでしょうか?

藤田 それまでの「悪い奴」のイメージというのは、「お前らが俺に勝てるわけがない」と上から見下すような存在が多かったので、そうではない新しいキャラクターを作りたいと考えていました。

 普通に悪そうなものを描くなら三白眼が適しているんですが、三白眼だとどうしても下から睨(ね)め上げる、姑息な感じがするので、姑息じゃない形で強大な悪を描くにはどうするか。そこにあったのが「意思の力」です。

 白面の者にたぎる、人間に対する憧れや嫉妬の気持ち。「あれになれないのだったら滅ぼしてしまえ」という意志の力が、白面を強大たらしめていたんです。

 また、今なら言えますが『うしおととら』は自分にとっての連載デビュー作。当時、周りに上手い人や、面白いマンガを描く人がいっぱいいるなかで、「ちくしょう、絶対この世界で生き残ってやるぞ」という自分の思いも込められていたと思います。

ーー最終決戦のラストシーンで、白面の者が「弱さ」をあらわにし、白面を憎み続けてきたとらが「憎しみ」を乗り越えるという展開が、とても印象的でした。

 最初からそれが決まっていたわけじゃないんです。白面の強さや恐ろしさを描きながら、「こいつの弱さって何だろう? なんでこいつはこんな行為をするんだろう……?」と、ずっと考えていた。何かを欲しているのを隠しているのか……人間という存在が羨ましいと思っているんじゃないか……と、自分の疑問に答える形で描いてきて、最後の最後に「ああ、なるほどそうだったのか」という展開ができてきた。

 こうやってエピソードを描くごとに、物語が深まり熱くなっていくのは、マンガ連載の醍醐味だと思います。

【画像】「これは自分が描いた眼だ!」藤田和日郎さん自ら明かす、白面の「眼」の秘密(11枚)

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