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敵なの味方なの? 複雑な『Zガンダム』のお話をより難しくしていたかもしれないMS

シリーズ作品のなかでも『Zガンダム』は、予備知識のない初見では、少々難しいお話という声が聞かれます。確かにお話そのものも複雑に展開していきますが、モビルスーツの敵味方も難しくしている要因のひとつ、という声も聞かれます。

制作サイドも気を配っていた様子がうかがえます

赤は当初クワトロ(シャア)機のみでほかはグレーだったが、のちに大半が赤に。「HG 1/144 リック・ディアス(クワトロ・バジーナ機)」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ
赤は当初クワトロ(シャア)機のみでほかはグレーだったが、のちに大半が赤に。「HG 1/144 リック・ディアス(クワトロ・バジーナ機)」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

「ガンダム」シリーズのなかでも、1985年に放送されたTVアニメ『機動戦士Zガンダム』は、その内容がやや難しいとして名前を挙げられることのある作品でしょう。地球連邦軍内の軍閥「ティターンズ」と、同じく地球連邦軍内の組織ながら反連邦を掲げる「エゥーゴ」の対立を発端とする「グリプス戦役」を描く物語です。

 2025年現在のように、配信でいつでも観なおせたり、インターネットで調べたりする環境はもちろん、ビデオデッキの全世帯普及率も3割程度(内閣府 消費動向調査による)だった最初のTV放送当時、リアルタイムで視聴していたお子様からは「わかりにくかった」「雑誌の情報で補完して理解した」といった声が聞かれます。

 その要因のひとつは、上述したように、そもそもの争いが連邦軍内の内紛であることと、そこに物語中盤からジオン残党組織「アクシズ」も加わり、また登場人物の寝返りや裏切りもあって、誰が敵で誰が味方かわかりにくかったこともあるようです。放送を1、2回見逃したらお話についていけなくなった、というお子様もいたことでしょう。

 また要因のひとつとして聞かれるのが、敵味方のモビルスーツ(MS)が分かりづらかった、という意見です。

 シリーズの前作『機動戦士ガンダム』には、主人公側のMSが少なかったこともあり、また敵方のジオン軍のMSとはカラーリングの傾向が大きく異なることや、「モノアイ」という特徴もあって、敵味方はわかりやすいものでした。

 ひるがえって『Zガンダム』の場合、たとえばジオン系MSの特徴を色濃く残した「ハイザック」は敵方の機体としてわかりやすいものでしたが、主人公側にも同じくジオン系の特徴をもつ「リック・ディアス」が見られ、このあたりで「?」となったという、前作から観ていた当時のお子様の声が聞かれます。

 ハイザックは、「ザクII」や「アクトザク」をベースに、地球連邦軍とアナハイム・エレクトロニクスが共同開発した機体とされています。胸のあたりやシールドなどに連邦系MSのデザインが見られるものの、顔はほぼザクIIで色もグリーンであり、ぱっと見はザクIIそのものといった印象を受ける機体です。上述のように、前作を観ていたお子様にとっては「敵」として実にわかりやすいものでしょう。一方で、「連邦軍のはずなのになぜザクが出てくるのかがわからなかった」という意見も見られます。

 リック・ディアスは、『Zガンダム』の冒頭を飾るMSです。エゥーゴの量産機で、新素材「ガンダリウムγ(ガンマ)」を機構材質に採用しており、「γガンダム」と名付けられそうになったという機体でもあります。ただ、ドムの系譜にある「ドワス」ないし「ドワス改」が原型といい、元ジオン系の技術者が多く開発に携わったということもあって、その見た目はジオン系MSのそれといえるでしょう。

『Zガンダム』第2話では、両機の戦闘がさっそく見られます。しかもそこに、「黒いガンダム」ことティターンズカラーの「ガンダムMk-II」も絡んできます。お話をしっかり追っていれば問題ないのでしょうけれども、直感的には分かりづらくなるポイントかもしれません。

 制作サイドも、このあたりには気を配っていた様子がうかがえます。黒いガンダムは、のちに白を基調とした、前作の主人公機を連想させる馴染みのあるカラーリングとなります。また、ジオン系デザインのMS「マラサイ」はティターンズに、連邦系デザインのMS「ネモ」はエゥーゴに配されていました。

※ ※ ※

「大人になって改めて観て理解できた」という声も聞かれる『機動戦士Zガンダム』、配信で視聴できるいまこそ、あのころの「?」をスッキリ解消できる機会かもしれませんね。

(マグミクス編集部)

【画像5枚】こちらが連邦カラーに染めてもザクすぎた「ハイザック」です

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