『ジュラシック』以外にも! マイケル・クライトン原作の近未来映画4選
恐竜たちが大暴れする映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』が、地上波初放映されます。人気シリーズ「ジュラシック・パーク」の原作者である作家マイケル・クライトン氏は、さまざまなジャンルの作品を残しています。『ウエストワールド』をはじめとする、話題を呼んだ映画化作品を振り返ります。
多才だったマイケル・クライトン氏
恐竜好きには見逃せない、映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(2018年)が「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系)で地上波初放映されます。シリーズ第1弾となったスティーブン・スピルバーグ監督の『ジュラシック・パーク』(1993年)は、CGで再現された恐竜たちのリアルさが話題を呼び、メガヒットを記録。『炎の王国』はシリーズ第5弾となる最新作です。2020年7月24日(金)21時より、放送枠を30分拡大してのオンエアとなります。
最新の遺伝子技術によって蘇った恐竜たちが大暴れする、人気シリーズ「ジュラシック・パーク」。琥珀に閉じ込められていた太古の蚊から、恐竜たちのDNAを抜き出すという秀逸なアイデアを思いついたのが、米国の人気作家マイケル・クライトン氏でした。クライトン氏は2008年に66歳で亡くなっていますが、実に多彩な作品を残しています。
天才児だったクライトン氏は、ハーバード大学で英文学、考古学、さらに医学を学びました。医学生としての体験をもとに執筆した小説『五人のカルテ』は、人気医療ドラマ『ER 緊急救命室』の原案となっています。数多くの小説がベストセラーになった他、映画監督、脚本家、プロデューサーとしても才能を発揮しています。
ユル・ブリンナーが怖い『ウエストワールド』
クライトン氏が映画監督として脚光を浴びたのが、SF映画『ウエストワールド』(1973年)でした。舞台となるのは、大人向けのアミューズメントパークです。パーク内は、西部開拓時代、中世のヨーロッパ、帝政ローマ時代に分かれており、それぞれ最新テクノロジーを駆使した人間そっくりなロボットたちが出迎えます。入場者はロボットたちを相手に、その時代の暮らしを楽しむことができるのです。
ところがパーク内のコンピューターに誤作動が生じ、ロボットたちが暴走を始めます。なかでも恐ろしいのが、黒づくめのガンマン(ユル・ブリンナー)です。それまで入場者にやられ放題だったガンマンは、次々と人間に襲い掛かります。最新設備が自慢のパーク内で事故が起き、大パニックに陥るという展開は、のちの『ジュラシック・パーク』にも生かされることになります。
ユル・ブリンナーといえば、西部劇の名作『荒野の七人』(1960年)ではリーダー格のクリスを演じるなど、「正義の味方」のイメージが強かっただけに、殺人ロボットに変貌した姿は強烈なインパクトがありました。1978年に「ゴールデン洋画劇場」(フジテレビ系)で放映され、日本の子供たちは震え上がりました。米国人にとっても忘れられない作品となっており、2016年から連続ドラマ化され、Amazonプライム・ビデオで現在配信中です。