マグミクス | manga * anime * game

『風、薫る』フユの史実モデルは「戊辰戦争で夫を亡くした」ハードな人生 朝ドラではどう描く?

『風、薫る』第9週で話題の看病婦・フユは、何者なのでしょうか。

ハードな背景があった看病婦

見上愛さん(2024年5月、時事通信フォト)
見上愛さん(2024年5月、時事通信フォト)

 2026年前期の連続テレビ小説『風、薫る』第9週では、手術介助で高い技術力を見せた看病婦「フユ(演:猫背椿)」が話題を呼んでいます。42話で手術に立ち会うも上手くいかなかった主人公「一ノ瀬りん」は、彼女に手術介助を教えてほしいと頼みました。そんなフユには、何か事情があるようです。

※この記事では、『風、薫る』のネタバレにつながる情報に触れています。

 42話では、ケガで重症の華族の男性が運び込まれ、緊急手術が行われました。看病婦たちに教える立場になっていたりんともうひとりの主人公「大家直美(演:上坂樹里)」ですが、経験不足で逆に手術の足手まといになってしまいます。その後、りんが助けてくれたフユに「私、フユさんみたいに手術室でも仕事ができる看護婦になりたいんです」と頼み込むと、フユは「お金をくれたらね」と冷たく返しました。

 続く43話のあらすじを見ると、「フユの家の事情」が明らかになると書かれています。42話の最後では、フユが自宅で疲れ切った様子で洗濯をしている姿が描かれていましたが、どのような事情があるのでしょうか。

『風、薫る』の原案書籍『明治のナイチンゲール 大関和物語』には、冬のモデルと思われる人物が出てきます。こちらはりんの「モチーフ」となった、日本の看護婦の草分け的存在・大関和(おおぜき・ちか)の生涯を描いた小説です。

 和は1888年10月から、帝国大学医科大学付属第一医院(現:東京大学医学部附属病院)で実習を始め、外科に配属された際に、乳がんで入院してきた家族の貴婦人・三宮八重野(仲間由紀恵さん演じる「和泉千佳子」のモデルと思われる)の手術に立ち会いました。その際、執刀医に手際よく手術道具を渡す腕前を見せ、和を驚かせたのが年配の看病婦の吉村セイです。

 和は手術の進行を左右する「器械出し」が抜群に上手いセイを見て、看護学校で学んだ自分たちが真の看護婦だと思っていた自分を恥じたといいます。朝ドラとは違い、和がセイに教えを乞うと、彼女は快く引き受けてくれたそうです。

 そして、和はセイが看護の経験を積んだ事情を聞きました。セイは明治維新期の戊辰戦争で軍人だった夫を失い、横浜の軍陣病院として開かれた第一医院で20年以上働いていたそうです。彼女は夫が死んだあと、嫁いだ家を追い出されたにも関わらず、残った3人の子供たちのために、病院の給金をほとんど仕送りに使っていました。

 当時すでに60歳近かったというセイは、和や同期の看護婦たちに、器械出しのほか戦場などの医療体制が整っていない場所での応急処置の方法など、自分の経験をもとにした知識を惜しみなく教えてくれたといいます。彼女たちを、娘のように思っていたのかもしれません。

 そしてその後、セイは引退して山梨の弟の一家に身を寄せました。和たちが医院を去るセイを見送った際、彼女は「全財産」だという着物と洗面道具が入った風呂敷ひとつしか持っていなかったそうです。

 かなり不幸な境遇だったセイがモデルと思われるフユは、いったいどのような事情を抱えているのでしょうか。続く43話も注目です。

(マグミクス編集部 映画・ドラマ担当)

【画像】え、「確かに整ってる」「見上愛には似てない」「気が強そう」 コチラが「地元で評判の美人」と言われていた『風、薫る』りんのモデルです

画像ギャラリー

マグミクス編集部 映画・ドラマ担当

年間300本以上劇場で見る映画好き。マンガの実写化作品で原作との違いを見るのも趣味としています。「NHK連続テレビ小説」は毎作チェックし、登場人物のモデルについても調べ、ドラマと史実との比較や小話などを発信しています。

マグミクス編集部 映画・ドラマ担当関連記事

もっと見る

編集部おすすめ記事

ドラマ最新記事

ドラマの記事をもっと見る